愛の調べのレビュー・感想・評価
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様々な愛の形を描いた秀作
今作と同じクラレンス・ブラウン監督の『仔鹿物語』が面白かったので鑑賞。
夫婦の愛、家政婦とその家族との愛、他人の妻に惹かれる男の愛。様々な愛の形を描いた秀作だ。特に印象に残ったシーンは、ブラームスがシューマンの妻クララに惹かれているのを知りながら、シューマンは知らないフリをし続けていたところ。他人の心の揺らぎを許容できる大人の懐の深さを見せてくれるシーンだった。
ラストシーンで、冒頭と同じようにかつての皇太子の御前でシューマンの『トロイメライ』を演奏するクララのシーンも良い。長い年月の重みを、曲に乗せて感じさせてくれる余韻のある終わり方なのが良かった。
シューマンにクララ、ブラームス、さらにリストまで登場し、音楽史的には興味深々も
クラレンス・ブラウン 監督による1947年製作のアメリカ映画。原題:Song of Love。
キャサリン・ヘップバーンがシューマンの妻クララを演ずる音楽映画。彼女が、音は別らしいが、ピアノを華麗に弾く指使いを行っていたのには感心させられた。
映画自体は余り面白くなかったが、登場してくる曲には興味深々。シューマン作としては、トロイメライと献呈が2回演奏される。さらに、リスト編曲の謹呈も登場。また音楽史にはあまり詳しく無く、シューマンが売れていない作曲家で、リストがシューマン夫妻を助けたことを初めて知った。シューマン夫妻が子沢山で、弟子入りして住み込んでいたブラームスが子守の様なことをしていて、ビックリ。これが、ブラームスの子守唄演奏に繋がるのか。
リストによる演奏中にピアノの弦が切れる演出エピソードも興味深い。劇中のピアノ演奏の音は、有名ピアニスト・アルトゥール・ルービンシュタインの演奏によるものとか。凄いピアニストとの評価らしいが、個人的には何故かあまり好きになれないピアニストではある。
監督クラレンス・ブラウン、脚色アイバン・トース 、イルムガード・フォン・クーベ 、アレン・ビンセント、 ロバート・アードリー、原作戯曲バーナード・シューバート、 マリオ・シルヴア、製作クラレンス・ブラウン、撮影ハリー・ストラドリング、音楽監督ブロニスロー・ケイパー、編集ロバート・カーン。
音楽演奏アーサー・ルビンスタイン、 ウィリアム・スタインバーグ。
出演
キャサリン・ヘプバーンClara_Wieck_Schumann、ポール・ヘンリードRobert_Schumann、ロバート・ウォーカー Johannes_Brahms、ヘンリー・ダニエルFranz_Liszt、レオ・G・キャロルProfessor_Wieck、エルザ・ジャンセンBertha、ジジ・ペローJulie、ティンカー・ファーロングFelix。
ピュアな映画
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