愛と哀しみのボレロのレビュー・感想・評価
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物語は繰り返される、喜びも哀しみも、ボレロの旋律のように。
時代の波に翻弄される人々を描いた群像劇、大河ドラマが好きなのは、多分40年前に観たこの映画で感動したからだろう。
年老いた母に会いに行くところ、髪を切られて晒されるところ、この二つのシーンは40年経っても鮮明に覚えている。
戦後のパートがこんなに長かったんだ。それだけ戦争中の悲劇が強く印象に残っていたんだろう。
哀しみに満ちた物語が待ち受けているのがわかっているので、最初の四組の男女の幸せそうなところでもう泣けてしまう。
解説、紹介文にあるように4組の男女とモデルになった人物にとらわれると、それ以外にもたくさんの人たちの人生が絡んでいるからかえって分かりにくいかもしれない。
同じ俳優が親と子を同じように演じているので混乱しそうだが、物語は繰り返すというテーマなので敢えてそうしているのだろう。
物語はいつも繰り返される、喜びも、哀しみも、まるでボレロの旋律のように。
(ブレーク・エドワーズ監督の「テン」のせいで、ボレロを聴くとダドリー・ムーア(ボー・デレクじゃなくて)のエッチな顔が浮かんできていやらしいこと想像しちゃうから困るんだなぁ。)
午前十時の映画祭。さすが名古屋、平日にもかかわらずたくさんの観客。
いつも行く津のイオンシネマは大抵5、6人。もったいない。
40年前は、県の文化会館で月に一度の名作映画上映で鑑賞。今、こういう企画なくなりましたね。
国境を超えたいくつものストーリーが、運命に翻弄されながら圧巻のラス...
最後の
愛も哀しみも背負って生きていく
音楽とバレエ
いくつもの糸が絡み合い大河を流れていく
私のなかでは史上最高の映画でした。戦争と民族と愛と慈愛の大河をたくさんの家族や個人を登場させて人生そのものの糸が触れ合い、すれ違い、時には絡み合いながら時代を象徴する群像として描かれていく。主な4つの一家の他にもユダヤ人を救う女教師と息子、線路で拾った赤ん坊を捨てた男と子供を探す母親の出会い、散り散りになったパリの劇団員が、ある者たちは合流、男性ダンサーは米国でダンサーとなり、劇団長とその息子は女をめぐる泥仕合へと、4つの糸以外にもたくさんの糸が周りに流れていることに気がつき、時代に翻弄されながら生をつないでいく人々と、混乱の時代を自ら繰り返しつくっている人間のおろかさ、あわれさ。
この映画はそうした人間の哀しみ喜びを、おろかな人間たちの性(さが)の上に群像として描ききった大作です。ロシア、ドイツ、フランス、アメリカという言語の通じない家族たちを象徴的に主役にして、聖書でバベルの塔を築いて神が言葉を通じさせなくなった人間たちの末裔を描いている愛と哀しみの糸の物語。長く語り継がれる傑作だと思います。
渾身の長編
登場人物も多いし2世代の物語になるので、見直すと新しい発見がある。何十年ぶりかなのだけど、記憶は後半の印象が薄かった。バレエは圧巻だったけど、ジェラルディン・チャップリンの歌声が入っていたんだ。吹き替えなしみたいだけど、よく通っていた。
ダブル・キャストが多いので、油断すると悩み始めてしまう。この映画、あえて主役は作らなかったんだろうな。
クロード・ルルーシュ渾身の舞曲
ヘルベルト・フォン・カラヤン、グレン・ミラー、ルドルフ・ヌレエフ、...
ヘルベルト・フォン・カラヤン、グレン・ミラー、ルドルフ・ヌレエフ、エディット・ピアフの四人の音楽家たちをモデルに、戦前から戦後の半生を描いている。
登場人物が親子2世代同一人物だったりと、一度ではかなりわかりずらい。
芸術家を通して映る戦争の悲劇もまた悲しくも切ない。
2014.5.12
実はクロードルルーシュの半生記
才人ルルーシュ本領発揮
ルドルフ・ヌレエフ(ジョルジュ・ドン)、エディット・ピアフ(エブリーヌ・ブイックス)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(ダニエル・オルブリフスキ)、グレン・ミラー(ジェームズ・カーン)をモデルにし、パリ、モスクワ、ベルリン、ニューヨークを舞台に50年間のドラマを壮大に描く。
才人クロード・ルルーシュ監督、音楽はミシェル・ルグランとフランシス・レイ。
終盤のボレロをバックに踊るジョルジュ・ドンは圧巻。
ジョルジュ・ドンの思い出
京都にジョルジュ・ドンが来たとき、これは是非にと行ってきた。
映画の彼が、目の前で生で踊るボレロ。長い長いクレッシェンドで、繰り返し繰り返しの高揚していくボレロのリズム。
客席の僕はあの映画のストーリーが、それこそ走馬灯のように思い出されて、自分までがステージの渦に巻き込まれてしまって
・・・音楽とダンスが終わった瞬間の、絶叫と嵐のような歓声の中、大勢の観客と一緒に両手を上げたままステージのたもとまで殺到してしまった。
あんな客席は後にも先にも見たことがない。
ジョルジユ・ドンはときを置かずして急逝。
映画と彼は、僕にとっては一つのものです。
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感慨深いのは、主人公たちが一堂に会するラストなわけだが、
まるでプラズマがぶつかり合い激しいショートの火花が散るようなこのエンディングにして
しかし、主役の四人は目の前の共演者が何者であるかを知らないのだ。
絡み合いつつニアミスしつつも、人間の歴史はその人において固有のものなのだと映画は語るのだろう。
凱旋門でのこの夜が終われば、彼らは再びバラバラに帰途につく。
つまり個人主義の讃歌、
そのことがまた面白い。
映画の他のシーンについては、何度か観て友人と不明点を解明し合うのも楽しい。
なんせ同じ役者が親子の設定で再度登場しているし。絡み合い巡り合うヨーロッパの歴史。
で、まだよく分からないのは戦地から復員して駅に降り立った若者たちのうち1人だけ出迎えがなかったのは何故だろう。どなたか教えて。
またレンタルだな。
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バレエもののDVDはたくさんあるがドラマ仕立てよりドキュメントが良。
草刈民代の「ダンシング・チャップリン」などオススメ。
実は僕もバレエ踊っていたのです。
これはフランス映画なんだ
フランスの凋落
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