愛と哀しみのボレロのレビュー・感想・評価
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国境を超えたいくつものストーリーが、運命に翻弄されながら圧巻のラス...
国境を超えたいくつものストーリーが、運命に翻弄されながら圧巻のラストに向かって複雑に絡み合う、壮大な人間ドラマ。ただ、登場人物が多く場所や時系列もコロコロ変わるので、白人の顔が同じに見えてしまう日本人としては、誰が誰だったかちょっと混乱してしまうかも。ミシェル・ルグランとフランシス・レイの音楽、そしてラヴェルのボレロとジョルジュ・ドンのダンスが素晴らしい。
最後の
“ボレロ”が終わると、奇妙な興奮。184分見せられたPVの睡魔に耐えた自分を褒めたいのか、戦中・戦後が最後融合したのに感動したのか? ちょっと「ボヘミアンラプソディ」を思い出した。
人物相関を追うのは早々に放棄した。ルルーシュ監督はPV上がりでドキュメントも撮る、その部分がくっきり出たんでしょう。
愛も哀しみも背負って生きていく
午前十時の映画祭にて鑑賞。
国籍の違う4組の男女の視点から、第二次世界大戦を生きる過酷さと被害、そして音楽の持つエネルギーを感じる。
クライマックスのボレロは観客だからこそ感慨深い。
しかしいつ見ても凱旋門周辺は運転できる自信がない。
4つの家族のドラマです。 が、中盤辺りから話がわかりにくい。 しか...
4つの家族のドラマです。
が、中盤辺りから話がわかりにくい。
しかし音楽とバレエは圧巻です。
何度も見れる。見る度に理解出来る映画です。
音楽とバレエ
ジョルジュ・ドンのボレロが見たくて。舞台の場所や演出などが完璧。これがあるから長時間耐えられた。
戦争に翻弄された4家族の物語は、重い歴史ではあるが、淡々と語られる。しかし同一人物が親子を演じたりするので、ちょっと混乱した。そして長い。でも、重厚なドラマで見応えはあった。
バレエやる人は、どうして細くて首が長いのだろうか。先天的にそういう体型の人が集約されていくのか?それとも、バレエを根詰めてやると後天的にそうなるのか?素朴な疑問。
いくつもの糸が絡み合い大河を流れていく
私のなかでは史上最高の映画でした。戦争と民族と愛と慈愛の大河をたくさんの家族や個人を登場させて人生そのものの糸が触れ合い、すれ違い、時には絡み合いながら時代を象徴する群像として描かれていく。主な4つの一家の他にもユダヤ人を救う女教師と息子、線路で拾った赤ん坊を捨てた男と子供を探す母親の出会い、散り散りになったパリの劇団員が、ある者たちは合流、男性ダンサーは米国でダンサーとなり、劇団長とその息子は女をめぐる泥仕合へと、4つの糸以外にもたくさんの糸が周りに流れていることに気がつき、時代に翻弄されながら生をつないでいく人々と、混乱の時代を自ら繰り返しつくっている人間のおろかさ、あわれさ。
この映画はそうした人間の哀しみ喜びを、おろかな人間たちの性(さが)の上に群像として描ききった大作です。ロシア、ドイツ、フランス、アメリカという言語の通じない家族たちを象徴的に主役にして、聖書でバベルの塔を築いて神が言葉を通じさせなくなった人間たちの末裔を描いている愛と哀しみの糸の物語。長く語り継がれる傑作だと思います。
渾身の長編
登場人物も多いし2世代の物語になるので、見直すと新しい発見がある。何十年ぶりかなのだけど、記憶は後半の印象が薄かった。バレエは圧巻だったけど、ジェラルディン・チャップリンの歌声が入っていたんだ。吹き替えなしみたいだけど、よく通っていた。
ダブル・キャストが多いので、油断すると悩み始めてしまう。この映画、あえて主役は作らなかったんだろうな。
クロード・ルルーシュ渾身の舞曲
「ボレロ」は2つの旋律と単調なリズムながら遠景から迫りくるダイナミズムは感性にダイレクトに響く名曲である。映画はウィラ・キャザー(アメリカの女流作家)の残した格言から始まる「人間の歴史には2つか3つの物語しかない、それらは残酷なほど何度も繰り返される、毎回それが初めてであるかのように・・」
先の大戦、国も異なる4家族、2世代の愛と悲哀、数奇な運命を芸術を通じて延々とフィルムに刻み、人間の愚かさと儚さ故の美しさを後世に伝えたかったのであろう。クロード・ルルーシュのアーティスト魂、熱気が恐ろしいまでにほとばしる。古い作品だが映画史に残る名作であることは間違いない。
ヘルベルト・フォン・カラヤン、グレン・ミラー、ルドルフ・ヌレエフ、...
ヘルベルト・フォン・カラヤン、グレン・ミラー、ルドルフ・ヌレエフ、エディット・ピアフの四人の音楽家たちをモデルに、戦前から戦後の半生を描いている。
登場人物が親子2世代同一人物だったりと、一度ではかなりわかりずらい。
芸術家を通して映る戦争の悲劇もまた悲しくも切ない。
2014.5.12
実はクロードルルーシュの半生記
ルルーシュ監督は1937年パリ生まれのユダヤ系
映画は1936年末から始まる
おそらく彼の周囲で見聞きしたエピソードがてんこ盛りで、そこにカラヤンやグレンミラーをモデルした物語を接ぎ木したもの
自分達の世代はこのような歴史の中で育ち今あるのだという讃歌
フィナーレのダンスシーンは圧巻であり、それぞれの登場人物が集結する見せ場になるのだが、それが物語が畳まれるカタルシスまでには至らなかったのは残念
才人ルルーシュ本領発揮
ルドルフ・ヌレエフ(ジョルジュ・ドン)、エディット・ピアフ(エブリーヌ・ブイックス)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(ダニエル・オルブリフスキ)、グレン・ミラー(ジェームズ・カーン)をモデルにし、パリ、モスクワ、ベルリン、ニューヨークを舞台に50年間のドラマを壮大に描く。
才人クロード・ルルーシュ監督、音楽はミシェル・ルグランとフランシス・レイ。
終盤のボレロをバックに踊るジョルジュ・ドンは圧巻。
ジョルジュ・ドンの思い出
京都にジョルジュ・ドンが来たとき、これは是非にと行ってきた。
映画の彼が、目の前で生で踊るボレロ。長い長いクレッシェンドで、繰り返し繰り返しの高揚していくボレロのリズム。
客席の僕はあの映画のストーリーが、それこそ走馬灯のように思い出されて、自分までがステージの渦に巻き込まれてしまって
・・・音楽とダンスが終わった瞬間の、絶叫と嵐のような歓声の中、大勢の観客と一緒に両手を上げたままステージのたもとまで殺到してしまった。
あんな客席は後にも先にも見たことがない。
ジョルジユ・ドンはときを置かずして急逝。
映画と彼は、僕にとっては一つのものです。
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感慨深いのは、主人公たちが一堂に会するラストなわけだが、
まるでプラズマがぶつかり合い激しいショートの火花が散るようなこのエンディングにして
しかし、主役の四人は目の前の共演者が何者であるかを知らないのだ。
絡み合いつつニアミスしつつも、人間の歴史はその人において固有のものなのだと映画は語るのだろう。
凱旋門でのこの夜が終われば、彼らは再びバラバラに帰途につく。
つまり個人主義の讃歌、
そのことがまた面白い。
映画の他のシーンについては、何度か観て友人と不明点を解明し合うのも楽しい。
なんせ同じ役者が親子の設定で再度登場しているし。絡み合い巡り合うヨーロッパの歴史。
で、まだよく分からないのは戦地から復員して駅に降り立った若者たちのうち1人だけ出迎えがなかったのは何故だろう。どなたか教えて。
またレンタルだな。
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バレエもののDVDはたくさんあるがドラマ仕立てよりドキュメントが良。
草刈民代の「ダンシング・チャップリン」などオススメ。
実は僕もバレエ踊っていたのです。
これはフランス映画なんだ
戦争の歴史物と思って観てはいけません。
あくまで綺麗な様式美を観るための映画だと思って観れば豪華だし綺麗だし楽しめる。
最初とラストの結びに、ああ〜、これがやりたかったがための3時間かあ!となるのです(笑)
途中まではなんというか、戦争を描いているのにフワッフワしたフランス映画っぽさが溢れていてちょっと胸がむかむかしてしまいましたね。
ナチスドイツを扱う映画を作るって、本当にデリケートなことなんだなあって思いました。
いや、そんなふうに真面目に観なけりゃ良い映画です。これだけの時間観てられるだけでもすごい。でも、男と女みたいなほうが、やっぱ合ってるんじゃないかな〜
フランスの凋落
人類の融和や世界平和の中心たらんとする、当時のフランスの心意気が眩しいくらいだ。
同時に、世界どころか欧州の統合すらままならない現在から見ると、映画のフィナーレが滑稽なほどの絵空事に思えてくる。
また、こうした西欧の思想と世界の首都を任じていたフランスとパリの凋落ぶりは、今や誤魔化しようがないところまで進んでいる。
この「戦後」世界への大いなる信頼と期待が、もはやほとんど残されてはいないという事態を、観客はこのスクリーンから確認することとなる。
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