愛人 ラマンのレビュー・感想・評価
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ドキドキした
人種差別と貞操観念が強く残る時代背景の中、うぶでまだ未完成な身体の10代の少女の初体験が、一回り以上も歳上のアジア人のお金持ちで愛人関係に留まり彼女は自ら堕ちようとする。
自分の気持ちがわからない思春期に戦後のきな臭い感じがまたなんとも言えない味のある映画でした。
中国人役の俳優さんの控えめで哀愁のある表情と男性性の混同がセクシーで素晴らしいです。
あなたはわたしと結婚できません
18歳でボロボロになった“私”。15歳半だった私は・・・という独白で始まるストーリー。中国では処女としか結婚できないから「あなたはわたしと結婚できません」などと言うのは男の身勝手?それでも生活のため、愛人のままでいいと考える少女。貧困がなす悲しい性なのであろうか。とにかく一番の衝撃シーンは、人が行き交う町の中、喧騒が聞こえてくるなかでの情事である。最初に観た地上波のテレビでは、リアルなセックスシーンはほとんどカットされていた。しかし字幕版で観ると、この少女のアフレコが全く合っていないことに興ざめする。
男物の帽子と三つ編みの髪。いいなぁ・・・
いい映画を見たという満足感。
以前みた時も良いと思ったけど
年を経てみるとこれがまた良かった。
少女の顔、スタイル、服装がかっこいい。
冷めた表情
紳士物の帽子
キラキラがついたパンプス
シンプルなレースのワンピ
とても似合ってて現代みてもいい。
中国人お金持ち青年のレオン・カーフェイの表情が良い。
初めて話しかける時のドキドキ感。
少女の家族に馬鹿にされた時の怒り。
埃っぽい風景も良くて
フェリーの上とか
騒々しい中国人街の逢引の部屋とか
当時話題になった性描写も。
暴力的なクソ長兄が一人でフェリーに乗って旅立つとき
ちょっとお茶目な仕草をお母さんにして見せたのは
ほっこりした。
差別というものはなくならないだろう。
ずっとあり続ける。
文学的
フランス植民地時代のインドシナの風景が、異国情緒いっぱいながらもとてもヨーロッパ的に撮影されていて、カフェオレ色のメコン川もなぜだかとても美しく見えます。
フィルムも純文学の香り漂う雰囲気です。
少女から大人になる微妙な時期に、一回り以上も年が上の華僑と肉体関係を持つことは、分別がつかないとしてもかなりぶっ飛んだお嬢さんだと思います。当時のフランスではまだ貞操観念があることが主流だったはずだし、ましてや侮蔑する対象の黄色人種。
支配階級である彼女達フランス人一家の振る舞い方が、人種に対する当時の考え方を如実に表しています。まあ、現代もまだまだ白人は優位ですが、一家の荒み方は酷いものでした。静かなアジアとは全く対象的です。
そしてなんと、二番目の兄は若き日のメルヴィル・プポー。
男が本気になり結婚まで意識されるほどの女に成長した主人公。彼女の「ラ・マン」は、最後に弱さを露呈しました。
果たして、彼女は彼を愛していたのでしょうか。それともセンチメンタルな気持ちを愛と取り違えただけだったのでしょうか。冒頭の告白を信用するならば、彼女は彼を愛した。そして、彼との限られた愛を文学という形にして、刻みこみたかったのではないでしょうか。それが、彼女の幻想だったとしても。
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