「農村暮らしはいいことだけじゃないけれど」恋するトマト Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
農村暮らしはいいことだけじゃないけれど
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総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 70
田舎暮らしが良くて都会は汚れている。そういう一方的なことを思う人もいる。だがそんな単純なことをこの映画は言わない。田舎暮らしに憧れた女は、現実を知って怖気づく。日本では農業というのは苦労の割りに利益の少ない仕事。フィリピンの農村に行っても、いきなりそこが穢れ無きいい場所だとはいわない。だから従来の米栽培だけでなく、高く売れるであろう高品質のトマト栽培を一から教える。そうすれば生計が豊かになるだろうし、急な医療費の支払いや子供を学校に送ることも可能になるかもしれない。そのようなしっかりとした見方は好感を持てた。
ややフィリピンのほうがみんないい人すぎるかとも思ったが、それでも農村で日本・フィリピンで問題を抱えながらも暮らしていく人々の捉え方と出演者の演技力も良い。心が通じたように思えてもそれだけでは十分ではなくて、やはり現実は厳しいという、単純ではない物語も良かった。最後の連絡無しの急な訪問はちょっと劇的すぎてやりすぎだろうと思ったが、物語を崩してしまうほどではない。これからも問題を抱えるだろうけど、頑張ってささやかに幸せになってくれるだろうと感じさせてくれた。
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