「男性視点と女性視点は違うかもと思いました。」恋するトマト ししまるさんの映画レビュー(感想・評価)
男性視点と女性視点は違うかもと思いました。
農家に産まれて、畑を継がなければならない、親の期待に応えなければいけない長男たいう重みと、お嫁さんがなかなか来てくれないというところから始まった。
女性に慣れてない男の人だからと初めに説明があったとしても、あんな納屋のようなところで急に襲い掛かられたら怖くて逃げ出したくなるのはとてもわかるなと思ってしまった。
飲み屋で知り合ったフィリピン女性の実家に行って、札束を取り出してこれを当面の生活費と結婚資金に使ってくださいと渡すシーンも、案の定詐欺だったけど、画面のこちら側の女性から見てみれば屈辱的というか人間の上下関係を見せられている気持ちになって悲しくなった。
まさおはたくましく、騙されたフィリピンで働き出すけど、生きるためとはいえ日本でタレントになれると説得して親に札束を渡して、娘は俯いて全てを悟ったみたいに日本のおじさんとの一夜に連れていかれるシーンはほんとうに胸が痛くなりました。売られたこの人生はそこから辛い思いばかりをすると思う。
そういう子を何人もスカウトして、
生きるためにはしょうがないかもしれないけど、すごい図太さを感じて観てて苦しい気持ちになりました。結局クリスティーナに出会ってから辞めたいとなりましたが‥。
稲刈りをして、たまたま幸運で得ているホテルのレストランでアルバイトしていた純粋な
子に一目惚れして無償で稲狩りを手伝って、また札束を出して娘さんとの結婚をお父さんにお願いするシーンも、日本人とフィリピン人の結婚てどうしてもそうなってものなのだろうか。フィリピンの医師からの求婚もある中、迷う彼女も辛かったろうな。
この映画には純粋に惹かれあった二人が描かれていたけれど、途中の正男の仕事のようなブローカーに騙された子を何人か知っているので、胸が痛くなるのを抑えつつ最後まで観終えるのに感動の涙は出なかった。でもクリスティーナがまさおと幸せな人生を送ることができたら良いなと祈りの気持ちで映画を観終わりました。