かもめ食堂のレビュー・感想・評価
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何度観ても面白い
おにぎり食べたい
ほのぼのする
心地の良い間 本当に自分に必要なもの
詰め込みすぎていない映画。 私が私でいていいんだと思える映画。
失礼ながら、
小林さんてこんなにきれいだったっけ?一つ一つの表情にハッとさせられる。
片桐さんのなんとかわいらしいこと。愛おしくなる。
そして、もたいさん。一枚、一枚の何気ない風景の映像が、もたいさんが入るだけで、モード誌等を飾るような、芸術作品になる。
この三人の女性が動き、話すだけで笑いを誘い、ほっとした間を作り出す。
主人公・サチエは、凛としたしっかりした人物なんだけれど、どこか間が抜けていて、気持ちよくもおかしい。
ミドリの醸し出す一生懸命やっているんだけれどピントがずれているところがなんともおかしい。三人のうちで一番私に近くて、一番感情移入できるかな。
マサコは一番妖精がかった不思議人。なんの暗喩かとその言動を深読みしたくなる。浮いてしまってもよいのに、あの着こなしの難しそうな服もさらっと着こなし、フィンランドの風景にも溶け込んで、しっかり立ち位置を決めてくれる。
人は一人では生きていけない。
たった一人で食堂をやっていたサチエ。清々しいけれど、ミドリが入ってほっとする。硬かった食堂の雰囲気が柔らかくなる。そこにマサコも入って、更に食堂の雰囲気が豊かになる。迷子のようなミドリやマサコによって、迷子じゃないサチエの生活も、単なる繰り返しではなくなっていく。
でも、お互いを縛りあう関係は疲れる。
この三人は依存しあわない。
お互いを必要とすること・頼ることと、依存は違うということを思い出させてくれる。
ほのぼの、人のつながりを描いているようで、孤独も背後にちらほら見え隠れする。
なのに、その孤独を悲しむのでもなく、絶望するのでもなく、孤独は孤独としてそこにあるけれど、生きていればよいこともあるよと背中を押してくれるような気分になる。
『バグダッド・カフェ』とは、物語の展開も何もかも違うのだけれど、あの映画を観たときのように、心にぽっと灯がともる。
距離感がいいんだな。ほっとする。
映画の進行が急ぎすぎていない。感情の押しつけがない。一波乱ありそうで、なくて、深呼吸ができる間が心地よい。
”人間関係の病”と言われるアルコホリックっぽい人も出てくるが、拍子抜けするほどあっさり描かれ、その後の展開がつっこみながらも笑えて、たまらなくいい。
登場人物の背景がちらっとしか出てこないので、そこは物足りないが、主役3人の女優に、いつの間にか納得させられてしまう。
抜ける青空。港町の風景。シンプルな食器や調理器具や調度類。贅沢なほど広々としたオープンキッチン。…。
音も、調理するときに出る音だけしかないときなど、必要最低限。
断捨離?と言いたくなるほど、シンプルな映画。
それでいて、味覚や臭覚、触覚までもが刺激される。
そんな映画に浸りながら、自分に問いかけたくなる。
「私に本当に必要なものって?」
日常の生き方とか、これからのこととか…。
それにしても、この映画の最大の魅力は、三人の個性の絶妙さだろう。
これだけ強烈な個性を集めたら、お互いがお互いの持ち味を殺してしまうことだってあり得るのに、存在を主張しながらも抑えた演技。噛みあっていそうで、かみ合っていなくて、でもかみ合っている関係性。
この三人に加えて登場するフィンランド人。中には現地で調達した素人エキストラ?と言いたくなるような人もいるが、だからかえって現地感が出ていて、フィンランドに旅行した気分になる。
数々の料理の場面に唾をのみ込んでしまうけれど、おにぎりの場面が最高。マサコが頬張るおにぎり。注視する店の客。いくら珍しい食べ物だって、あんなに注視しないぞと突っ込みながらも、とっても気持ちが暖かくなり、日本のソールフードが誇らしくなる。おにぎりの具には異論があるけれど。
背筋が伸びるようでゆったりとできる映画。でも笑い転げたくなるような毒もあり、贅沢な時間も満喫できるし、決して清貧潔白な映画ではない。
リピター続出というのも納得。私もその一人。
一見すると何ということのない映画。
確かに、ご都合主義な面もある。
物語もあるようでない。「変わらないものはない」というように、変化はしているのだけれど、日常を描いた映画。
でも、こてこての映画に食傷気味になった時に、自然に思い出す映画。
この映画を観ると、丁寧に作った日常のお惣菜、せめておにぎりかお茶碗に盛られた白米と、具沢山のお味噌汁をいただきたくなるとともに、掃除をしたくなる。
磨き上げられたキッチン。ごみ一つ落ちていなさそうな、ほこりも丁寧に拭われているような居心地のよいインテリア。
他の映画だと、「モデルハウス?」と言いたくなるのに、
この家だと、3人が丁寧に掃除して磨き上げているのだろうなと、人の手≒ぬくもりを感じる。
いい話だとは思う。
終わり近く、初めてBGMがながれ、店の奥まで光がさしこむ
端正に食べる小林聡美や もたいまさこが好きだ。
この映画は、落ち込んでいる僕のために友人が奔走して届けてくれた、“お見舞い”のような映画だ。
「さ、何か食べなよ」と、消化の良い温かな和食を君は届けてくれた。
処方箋をそっと付けて。
人間の基本は食べること。
泣いている幼な児に最初に与えられるのは乳房。
成長期にはカロリーを、
そして老いては根菜と米を食べて、初源の元なる土に還る用意をなし、
これほどに旨いものはない天上の末期の水を頂いて、命を終える。
食べる映画は、意識せずとも、我々の生命の根元を見せてくれるから、 だから面白いのだ。
「マザーウォーター」
「めがね」
「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」
「トイレット」
どれも、人に食べさせる風景を静かに描く異作。
これらシリーズは、ただ単にゆるいだけの映画ではない。
起伏がないのは表面(おもてづら)だけ。
黙っているがゆえに
三者三様の
「人生の傷み」と、
「旅の緊張」と、
「道を見失った迷い」がビンビンと尚更に響いてくる。
だからかなぁ、
その中で弱った者になにがしかを食べさせてくれる食事の“介抱”と、異国での孤独な水泳が、観る者の心に沁みてくる。
優しさが沁みてくる映画でした。
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黙しおり喰いしばりおり我が口に
菓子与え給たもう人の慈みや
45点
脳内お花畑映画
とても良かった
小林聡美が料理しているところが好き!
配役がぴったりすぎる ストーリーの展開が少し雑な気がした さちえさ...
何にも無いけど何かがある気がする
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