少女娼婦 けものみちのレビュー・感想・評価
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美しいシーンと内田裕也
自由に生き飛び遊ぶ海鳥が、たまたま腹立ち紛れに投げた石が、狙ったわけでもないのにたまたたま当たって真っ逆様に墜落してしまう
何度となく登場するカット
男に抱かれる度に聞こえる微かな海鳥の鳴き声
女の人生もそうなのかも知れない
美しく心に残る撮影シーンがいくつかある
浜辺のへりの道を夕暮れにに屋台を曳く母娘
逆光の美しい波浪の中を入水自殺しようとする青年
吹っ切れた娘のなか放つ大きな花火のオレンジ色の火花
そして内田裕也の存在感
食うやる仕事する
それだけの毎日は退屈だ
本作も睡魔を催すほどに中盤は退屈だ
美しいシーンと内田裕也だけが本作を観る価値だと思った
神代辰巳監督らしさは十分にある
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「男に上手い下手があるか」
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『追悼 内田裕也 スクリーン上のロックンロール』の特集上映にて鑑賞。いわゆる日活ロマンポルノの作品。家庭環境が歪な女子高生が、母親譲りの性に対する好奇心とファザコンを拗らせ、異性に対して並々ならぬ欲と愛情を求める構成である。
大人びてはいるが、一皮剥けば男に縋りたい感情をどうにも素直に吐き出せない“中二病”炸裂といった感じか。妊娠までしでかしても、結局子供故、それを整理できずに模索する姿を描いている。今作は内田裕也は安定に脇役に徹してるところが良い。
結局ラストは、母親同様女子高生が屋台を引くオチはよく分らないが、収まりが良いので余り違和感を持たない。頭でっかちの女子高生と、ノイローゼの男子高生、そしてだらしない大人達と、どうにも救われない連中を、それでも力強く生を全うするメッセージをスクリーンを通じて感じ取れる作品である。それにしても、足の裏を包丁で刺す件は、何かのオマージュなのだろうか?
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