Jam Films Sのレビュー・感想・評価
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幕の内弁当3
短編オムニバスの3作目、1作目より多少尺が延びて1話20分弱、ただ貴重な数分増を活かしていると思われない。作家性は伝わりますが魅力的かは別物、指名を受けた新人監督さんたちは本当に作りたくて作ったのか?、これぞというのが見当たりません。
1話:火曜日(監督:薗田賢次)・・隣は何をする人ぞ
中年親父の不可解な行動をスナップするだけ、シチュエーションがさっぱりわからないのは興味を引っ張る手法なのか・・・。どうやら変質者、マンションの他人の部屋に侵入するが泥棒という訳でもなく他人の暮らしに興味があるだけらしい・・。
2話:HEAVEN SENT(監督:高津隆一)・・意表を突く
ビルの屋上に数人の死体、どうやら撃ちあいがあったらしい・・。死んだ殺し屋を蘇らせる悪魔が登場、悪人の魂は大好物だからお礼に3つの願いを叶えると言う、まるでゲーテか昔話の世界観。
人は見かけによらぬということか殺し屋の究極の願いは悪魔の改心とは・・・
3話:ブラウス(監督:石川均)・・潔癖
実直な洗濯職人(大杉漣)と何年も同じブラウスを持ち込む思わせぶりな女性客(小雪)の煮え切らない関係を延々と綴ってゆく、これだけ洗わせられれば愛着が湧いても不思議はないがブラウス・フェチを描きたかった訳では無いでしょう、風変りなプラトニック・ラブは「無法松の一生」にでもインスパイアされたのか・・・。
4話:NEW HORIZON(監督:手島領)・・また覗き
巨大なフンコロガシが地球を回しているというファンタジー、ってことは地球は糞?
1作目の行定作品と同様のシチュエーション、今度は覗き趣味の変態老人のおかず役、綾瀬さんが不憫です。
5話:すべり台(監督:阿部雄一)・・マセガキ
舞台は児童公園、幼少の頃、男の子をからかって滑り台から落としてしまい、以来、罪の意識にさいなまられる少女(石原ひとみ18歳)、お詫びに何かさせてというのに図に乗って「やらせろ」という少年(柄本時生15歳)、そんなやりとりに目を離せなくなった男(山崎まさよし33歳)、果たして顛末は如何に・・。
6話:α(監督:原田大三郎)・・同じ顔
男女のデート風景を追ってゆくだけ、ピクニックに行くのかと思ったらゲーセンでプリクラ、ラブホやライブハウスと転々とするが実は美容整形した別カップルという画一主義的な現代人への社会風刺劇?
7話:スーツ(監督:浜本正機)・・ナンセンス
部屋にキャバ譲を連れ込んだ男にこれから行くと彼女のメール、修羅場になると思ったら新手のウルトラマンにさせられて防衛出動、こんな男に日本は守れるのかい・・?。
誰かさんへの風刺劇ならもう少し情報が欲しかった、たぶん深い考えは無くナンセンスさを売りにしたいのでしょう。どうせなら怪獣との一戦を見たかったが尻切れとんぼ、短編ですから悪しからずと言うことか、とほほ。
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