劇場公開日 2005年1月29日

「トニー滝谷の名前は、本当は“トニー谷”を参考にしたのではないのか?予告編を初めて見たときには、すっかり“トニー谷”の伝記だと勘違いしていた」トニー滝谷 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0トニー滝谷の名前は、本当は“トニー谷”を参考にしたのではないのか?予告編を初めて見たときには、すっかり“トニー谷”の伝記だと勘違いしていた

2020年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 父正三郎のシーンや、全編に渡るオフィスと小高い丘を上手くとらえた外の映像。孤独を表現するかのような坂本龍一のピアノのメロディ。これがトニーに内に潜む心理変化(孤独の時代と、幸福であっても孤独になったときの恐怖)に妙に合っていた。また、衣装部屋のブランド物で埋め尽くされた華やかさと、売り払った直後のがらんとした様子の対比。一瞬、独房で臥していた父正三郎のシーンをダブらせるところでは、座席の後ろから“孤独”という幽霊に抱きつかれたような奇妙な感覚に陥ってしまいました。75分という短い映画であるにもかかわらず、登場人物の心の波が押し寄せてくるとは、見事な映像表現でした。

 原作も脚本も知らないのでわからないのですが、募集広告でやってくる久子(宮沢りえ二役)は妻英子と瓜二つだったのでしょうか?彼女を面接したときのリアクションから察すると、驚きの表情が全く感じられなかったのでそっくりじゃないと思ったのですが、もしそっくりだったのなら、ラストのシーンでのトニーの思いきった行動も若干違った心理になると思うのですが・・・

「2005年5月映画館にて」

kossy