「まあ1200円ぶんは充分(但しVOD鑑賞)」ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島 Chuck Finleyさんの映画レビュー(感想・評価)
まあ1200円ぶんは充分(但しVOD鑑賞)
普通に時間分眺めるに足るミステリー調アニメ映画、楽しめましたよ。そこそこの鑑賞感の映画を値段で表現するのは私の下品な癖ですが、ワタシ的には小人・学割や値引きの日の鑑賞料であればちょうど良い感じの小良作でした。アニメ界に詳しくないので、名監督加算する感覚がなく恐縮です。
鑑賞中の印象では、たしかに中盤〜終盤までネガティヴ・オーラが物語全体を覆っているので、イライラするというか、合点が行かないまま見るからに勝てなそうな展開がダラダラ進むのでフラストレーションを感じました。
しかし上映1.5時間で、本来大バカ陽気で暑苦しい(スミマセン、ワンピファンではないので少々辛辣ご容赦)ワンピースに“ダークファンタジーな問いかけと答え”を正直無理やり入れ込んだので仕方ないように思います。じゃあそれを“王道アニメ”のワンピースのフォーマットに入れるなよという話になり、コアなファン層には納得がいかないのかも知れません。絵も違うし。
ただ私(の世代?)の場合、キャラ設定も絵もストーリーも全然変わるのは幼少期からの「ルパン三世」、青年になってからはGITS等でも散々経験させられているので、見ているうちにアジャストできます。幼少と言えば、他批評で本作は「小さい子はトラウマになる内容」という声が多いようですが、我が幼少期などは今ほど見る映画の選択肢や事前情報が乏しいまま「エクソシスト」「オーメン」「サスペリア」「キャリー」更に「ファンタズム」等も観てギャー!ウヮ〜!とか叫んでました。当時はトラウマなどという概念自体、世間に無かったような… この映画くらいで“心的外傷”なんて負います?
ちょっと思い立ってアニメのワンピースを決め鑑賞し始め、現在200話くらい、THE MOVIEもこの2005年作品まできました(漫画原作は長年摘み読みのみ)。
正直ちょっと飽きてきたなか本作で、
“南国の絶海を行く”ということは
絶え間なく立つ大洋の波
リゾートも深緑のジャングルもある南国の島
不意の死と底知れぬ呪い
があるものだと再認識させてもらった(従来作ではその辺がマンネリと一味超つよ補正でほぼ無意味化)上で「呪いのかかった島に引き込まれアイデンティティを失いかけた麦わら一味」が見られた思いで新鮮でした。