運命じゃない人のレビュー・感想・評価
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どの一瞬も運命、か?
人と人の出会い、すれ違い。緻密に愉快に観せてくれました。考えてみれば、どの一瞬も運命、か?
ずっと目が離せません、面白かったです。
とても個性的なキャラクター達、私の中の子供っぽい心がワクワク楽しめたって感じです。
なんとなく外国の作品を観ているような感覚なのは、心情の表現があっさりしているからなのかな。でも真面目で照れ臭そうで、良かったです。
2013.7.27. 内田けんじ監督オールナイト
シネマモード1
自分の幸せを他の人間に託すから、こんなことになるんだ
映画「運命じゃない人」(内田けんじ監督)から。
「う〜ん、参った・・」が、鑑賞後の第一声だった。
何日間の話だと思ったら、たった一晩の話だったなんて。
同じ事件・同じ場面を角度を変えてみる楽しみを知った。
まさに「脚本の妙」としか言いようがないくらいハマった。
メモした台詞、メモした人物を、紙に書き出してみたら、
その面白さは倍加した。
気になるフレーズは「電話番号をなめんなよ」が有力だったが、
この作品を思い出すには、やや物足りなかったので、
作品冒頭、婚約破棄となり、二人で住む家を出てきた女性が
タクシーの中で呟いた台詞、
「自分の幸せを他の人間に託すから、こんなことになるんだ」
登場する人物、誰もが口にしてもおかしくないフレーズとして、
採り上げてみた。
大ドンデン返しのようにみえる事件も、実は視点を変えるだけで、
とてもシンプルな構造をしていることに気付かせてくれる。
さらに、もう一度、違った視点でこの作品を観直したら、
もっともっと面白いに違いない。
「タネがわかってからも、なぜかワクワクする不思議な手品」
そんな感覚が魅力の、新しいタイプかもしれないな。
残念
内田けんじ監督の才能を垣間見れる作品。
『アフタースクール』以前に作られた作品。『アフタースクール』もそうだけど、この作品も練りこまれた脚本がすべてとなる。
多分、監督は映像よりも脚本ありき、そう信じる映画監督。
札束が狂言廻しの役割をもって様々な人間をオムニバスに描く。そんなスタイルでもって登場人物を交差させて、シニカルにあるいは笑いをもってひとつのドラマを見せる。ファースト・シーンとラスト・シーンが同じと云う映像で(場所は違うが・・・。)物語は幕を閉じるが、見ているほうがホッとする趣向はちゃんと用意されている。
まぁ始まりは運命じゃない人かもしれないが、運命の人となる可能性もありますよってことかな?
ヤクザ、探偵、詐欺師、失恋した女、出て行った女を忘れられない男。これら5人の男女が絡み合うミステリアスな時間。
才能溢れる内田けんじ監督の手の中で踊る快感に酔いしれるひと時。
たかが映画。されど映画。
セリフが好き!
電話番号をなめんなよ
飲み会で知り合った女の子にその後電話をちゃんとかけたのか?という問いかけに「電話番号を聞くタイミングがなかったんだよ」と答える宮田に対する神田の台詞。その後「タイミングなんてものは存在しないんだよ。電話番号だけが2人をつなぐんだよ。知らなきゃもう何にも起きないんだぞ」とつづく。「三十超えたら、運命の出会いとか自然の出会いとかいっさいないから。もうクラス替えとか、文化祭とかないんだよ。」
内田けんじ初監督にして、2005年カンヌ国際映画祭批評家週間への出品作品。スーパーピュアなサラリーマン宮田、幼馴染で友達思いの探偵、神田。宮田の元婚約者で金しか信じない詐欺師あゆみ。それを囲う経営に苦しむヤクザの組長浅井。さらに婚約者に逃げられ途方にくれたファミレスで宮田と知り合う真紀。そして5人を結ぶ2000万円の札束。それらが1晩で織りなす超ポップ、超ハッピー映画。
久しぶりに脚本で魅せる、言葉をしっかりと練った作品に出会ったなー。一回見たあとも、もう一度台詞を聞きたい。言い回しを感じたい。だからもう一度観たい。そんな風に思わせる映画です。
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