運命じゃない人のレビュー・感想・評価
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伏線回収のオムニバス
中村靖日扮する最近失恋した宮田武は職場の同僚にデートするから部屋を貸してほしいと言われた。家に帰るなり探偵の友人から今すぐレストランまで来てほしいと言われた。
どうも誰からも言われたら聞いてしまう性格の主人公だね。ず~とひとりぼっちだぞとついつい説教も受けたりしてね。でも友人のノリで知らない訳ありの女性と話すきっかけを作ってもらったりして。
評価が高かったから観てみたが、男性は優しいだけじゃダメだよな。しかしこんなふたりだと先々もダメだろうね。
展開手法は伏線回収のオムニバスみたいでなるほど新しいのかもね。肝心な本筋の顛末が電話番号もらえたと言うだけで持ち逃げ分とかその後も腰砕け。うさんくさい連中の人を陥れるやり方を見せつけられるのもまあ面白いと感じるが、ちょっと評価はやっぱり高すぎるよな。
注目監督
PFFスカラシップ
PFFの受賞作やスカラシップ作品は
興味深い作品が多く、第一回からチェックしてました。
が、いつのまにかチェックしなくなり、
意識すらしなくなりました。
そして、今作。
なかなか興味深い仕上がりだなぁと
調べたらスカラシップ作品でした。
当時出会っていたらもっと違った評価に
なっただろうなと思います。
良くも悪くも。
タランティーノがパルプフィクションで
オムニバスシャッフルという手法を確立し、
(その手法になんか名前付いてるのかしら)
以降、真似した映画がめちゃくちゃ増えました。
私は大変好きな手法なんですが、
嫌いな人は見たくもないらしいですね。
で、今作の評価の分かれ目は
”時間軸シャッフル手法が効果的かどうか”
だと思うのですが、
良かったのではないかと思います。
結婚詐欺に遭った真面目な成年が、
新たな出会いへ一歩踏み出した映画。
という平々凡々なストーリーに
奥行と広がりを持たせる。という意味で。
残念なのはキャラクター。
主人公はまじめで一本気。
でもちょっと真面目過ぎ。
一見破天荒な親友は、
悪くてチャラく見えるが
親友想いのいい奴過ぎ。
結婚詐欺の性悪女は、
”いい女”の部分が描かれな過ぎ。
やくざの親分は、
いい奴なのか悪いヤツなのか、
頭いいのかバカなのかフラフラし過ぎ。
そしてヒロインの彼女。
応援したくなるほど可哀そうでもないし、
宮田が惚れるほどいい女とも思えない。
あげく、金に目がくらんで宮田を
ないがしろし過ぎ。
せっかく”こういう映画”にするのなら
ストーリーの奥行じゃなく
キャラクターに深みを持たせた方が良かった。
と、思った。
思っていたのではなかったけど面白かった
二十年前の作品だけにみなさん若い!
でも、宮田さんだけ時間が止まっている印象もある!?
サクッと見やすかった。二十年前だと物語の構成も新鮮だったかな
タイトル『運命じゃない人』にラストまでうなづける。ニヤリって感じ。
アタッシュケースの中身!! お金ではない女性の『アイテム』から始まる恋♥
の1日の同じ場面をくり返す!
複雑に見えて、後になってそうだったのか!?
と見ている人に思わせる、時系が絡み合う
人間模様が描かれたストーリーでした。
主人公の宮田武が、人を疑うことを知らない
男性であゆみに詐欺、お金を騙し取られる
序盤から、いつもの店での看護師、マキとの出会い!
宮田の中学の同級生、神田も探偵事務所の働きと宮田に対しての親友としての働きかけ
簡単に人を信用してはならないことが
出来ていて、良き存在だったと思います。
タクシーで去ろうとするマキを宮田が
追いかけていき、電話番号をゲットしたシーン
は、新しい恋の予感がありました。
浅井組長、その組織の人物はお金を金庫にしまう動作、人の動かし方など、世知辛い世の中を表していました。
ラストは、女性に騙されそうだった宮田に
地球上には、お天道様が見てると思うような
新しい縁がありました。
ストーリー全体を通して、見る人に微笑みかける作品でした。
おもしろ!
霧島かれんが こんな冴えない女の役なんてするんだ〜って思ったけれど今までで一番良かった。
主役??の人、宮田って一生言っちゃいそうなくらい宮田顔。
時系列を細かく崩して 視点を変えてかなり上手く並べてる所に監督としてのセンスがあちこちに滲み出てる。
これは二回以上は見るのがいい。
見直すと あーこの時は とか あーこれこれとか
一粒で2度美味しい😋
二回目で気づいた事
レストランでヤクザの手下が二人後ろを通る。
便利屋山ちゃんの軽トラと 二人乗り自転車がぶつかりそうになること。
セリフもいちいち いい。
探偵さん 腕がいい。
それを見抜くヤクザの親分もいい。
見栄張って 頑張ってヤクザやってる感じ いい。
経費 かかるよね。笑笑
ラスト。
ちゃんと部屋借りに来る会社の人の登場で 一晩の出来事だとわかるところも いい。
追記2024年9月
最近これにいいね下さる方がいらしたので思い出して。
中村靖日さん 残念でなりません。
安らかに。
ご冥福をお祈りします。
構成の妙
思っているよりも
「運命じゃない人」
なんだかよくある恋愛ドラマかなと思っていたら、なんだか思わぬ展開にどんどん引き込まれていきました。
冴えないサラーリマンの男性は、突然彼女から別れを告げられ、同棲までしていたのに家を出ていった。
それがなぜかも分からぬまま、ある日仕事終わりに友人からの電話が鳴った。
それぞれのキャラクターが際立っているのと、同じ時系列の中で同じセリフでもこれほどまでに感じ方が違ってくるのが面白いと思いました。
電話番号くらい聞いとけよ!
これがなんだかグッときました。
それ一つで何かが変わるわけではない。
それ一つで何かを変える事が出来ると思えない。
けども、それがなんか良くなる方に転がる事もあるのかな。
タイトルなし(ネタバレ)
「大人になったら文化祭も席替えもない」のセンスに妙にグッときてしまった
後半のヤクザ出てきたあたりで浮世離れしてきてストーリーに集中できなくなってしまった
【”内田けんじ監督、新作作ってくれないかな・・。”序盤から張られた伏線の見事な回収を含めて、練りに練ったオリジナル脚本が秀逸な作品である。】
ー 内田けんじ監督は、劇場で10年以上前に劇場で「鍵どろぼうのメソッド」を鑑賞し、余りの出来栄えと今までにない邦画のテイストにビックリし、慌ててレンタルビデオ屋に馳せ参じ(というのは大袈裟だが)「アフタースクール」を鑑賞し、ストーリーテリングに唸った方である。
だが、この「運命じゃない人」はレンタルビデオには無く、「鍵どろぼうのメソッド」を鑑賞してから10年後に漸く、配信で鑑賞する事が出来た。僥倖である。-
■宮田(中村靖日)は、豪華なマンションを購入した後に、突然姿をくらました元婚約者・あゆみ(板谷由夏)のことを心配するほど人の好い男。
そんな彼のため、親友で探偵の神田(山中聡)がレストランで寂しそうに食事をしている恋人に逃げられ、婚約指輪を3500円で売ったばかりの真紀(霧島れいか:うわわわ・・、「ドライブ・マイ・カー」で主人公、家福の美しくも謎めいた妻、音を演じた方である。)をナンパする。
意気投合した宮田と真紀が宮田の家へ行くと、行方知れずだったあゆみが突然現れて、置いてあった荷物を取りに来たと言って宮田の家に入ってくる。-
◆感想
・内田けんじ監督のお得意の、前半は表面的な事実を平板に意図的に描きつつ、中盤から序盤に仕掛けられた伏線の、同時並行していた物語を絡ませつつ、回収していくテクニックと序盤の中村靖日、霧島れいから俳優陣の自然体の演技が、効いている。
・内田けんじ監督作品の魅力は、その作品構成の見事さの中に、”人間性肯定”の根本思想がある所である、と思う。
あゆみも、真紀も真なる悪人ではない。
浅井組組長も、札束の両側だけ本物の一万円札を付けて、部下に見栄を張る愛らしき男である。
<内田けんじ監督は「鍵どろぼうのメソッド」以降、短編一作を除いて、長編を製作されていない。事情があるのであろうが、今作を観ると矢張り、新作を観たいと思ってしまう。
練りに練ったオリジナル脚本が見事な作品である。>
良かった
7年位前に鍵泥棒のメソッド偶然テレビ放送で観て心に残って、
今年GWにアフタースクール放送されたの何度も見返して、
同じ監督だからと動画配信で運命じゃない人観たら、DVD買いました。ほのぼのして一番好きかな。
内容は書かないけど、どれも何回も楽しめます。
序盤と終盤に霧島さんが座っていた、調布駅南の駅のホームの見える噴水、公開の数年後には無くなってしまったの残念です。
中村さんと霧島さん、ドラマ相棒9でも共演されましたね。微笑ましい!
山中さんも相棒17に出演されて、兄弟共演で一つの作品に携われ良かったね!!(田畑さん風)
上記の噴水は無くなってしまったけどもう一つ好きな、道路に立っているのを呼び止めてタクシー追いかけて走るシーン、
腹いせにロケ地探しましたよ。見つけましたよ。
撮影協力ココスとあって出てこないので変だと思っていたけど、稲城へ行ってみたい。
宮田かあ。俺もこの部類かも。
オススメ頂き見ました。
わからないところが2点あった。
消化不良だ。
❶最初にメグミ似の彼女と知り合った神田、料理いっしょに食べようといったくだりがあった。
しかし、あとで宮田と会ってるときに、その彼女を料理だべようというくだりがあり、え!?これ最初は神田と女だけだよね?次には3人でしょう。
だから、神田が女と知り合ってから、宮田に紹介しようと、神田を呼んだみたいに最初は考えたんだけど、
でも神田は、あとから、追われていて、レストランに宮田より、あとから、くるわけだから、先に知り合ったわけでないよな。
わかりにくい。
❷最後にマンションに女がピンポンするんだけど、これはどこなの?
そして、隣に同時に訪ねてきた人は誰なの?
この2つの消化不良がなければ、内容は奇抜で面白い。
神田が探偵という胡散臭い仕事をしながらも、実はとても親友想いのキャラクターがいい。いい奴でかっこいい。結婚詐欺師の女と対照的で。
宮田は騙されやすいんだなあ。
マンションまで買うか。
かなり巧妙なんだろうか。
だいたいあんな派手な女、宮田に合わないだろう。
でも、地球人になれと、つっこまれていたが、自分にも、騙されたりはしないけど、人を信じたいなと思う気持ちって強くて宮田にある部分近いかもな。
金しか信じられない人もたくさんいるんだろうなあと、現実的なようで、みんなそれだけではないところはもちろんあって、なかなかねえ。
一日だけしか描いていない、ユニークな
映画です。
確かに内田けんじ監督には通づる世界観がある。
この映画、セリフがかなり、いろんなとこで冴えていた。他の方のレビューに書いてあり、同じ思いで、共感。
特に「自分のものになると思ったら誰でもいいんですか」、これは痛烈かなあ。
正直、そういうときもあるかも。まあ人間ですから。
アフタースクール、鍵泥棒のメソッド、そして運命じゃない人。
ヤクザや、探偵なんかも得意分野なんでしょうか。
なんか何かとモヤモヤするけど、面白いとは思います。
宮田・・・高価なマンション買ったんだから、防犯にも気をつかえよ
レストランと宮田の部屋はタイムスパイラル・ムービーの核となった。時空は超えないが、視点を変えることによって徐々に明らかになる事実。「あんたもそこにいるんか!」「おまえもか!」と、かくれんぼをすると必ず人気が出て争奪戦となる隠れ場所のようだ。
『パルプフィクション』のように時系列をバラバラにしてパズルを解くような構成ですが、個人的に真っ先に思い出したのがヒットしなかった『ホワイトライズ』と同年公開された『サマータイムマシン・ブルース』です。「実は・・・」というサプライズが次から次へと沸いて出てくる展開には呆然とさせられました。最初はのんびり進み、台詞と間がジム・ジャームッシュ風だったけど、全体的には小粋な台詞が面白く決まっていて、恋愛指南する親友神田(山中聡)の口調が心地よく響きます。「地球人になれ」とか「知らない星」といった台詞による感情の伏線も物語を引き締めていた。
主人公宮田武は純情で人を疑うことを知らないかのようなお人よし。彼を演じた中村靖日がぴたりとハマっていたし、彼のもとから逃げた女あゆみ(霧島れいか)も詐欺師ではあるけど、なぜか憎めない役どころ。個人的に気に入ったバイプレイヤーはレストランのウェイターと便利屋山ちゃんだなぁ。
エンディング後のシーンも好きだ。見事に看護師24歳と繋がるところなどは期待を裏切らないサービスカットだったと思う。
【2005年10月映画館にて】
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