「思い入れがあるから点が高め」サマータイムマシン・ブルース kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
思い入れがあるから点が高め
一番好きな映画は何ですか?という質問はなかなか厄介だ。そう感じる人も多いに違いない。そのままでは答えられないから、ジャンルや洋画邦画と絞って答えるようにしている。で、邦画で挙げるのは「サマータイムマシン・ブルース」。でも、最初に観たのは実はDVDだったりする。しかも結構昔のこと。映画.comにレビューも書いていなかった。今回のリバイバル上映で初劇場鑑賞となる。
大学のSF研の部室に突如現れたタイムマシーン。それをエアコンのリモコンを取り戻すために使うというくだらなさが好きだ。ものすごく驚く出来事なのに、それを矮小化させる感じが好きだ。時間があり余っている大学生の夏休みの雰囲気が漂っているあの舞台設定もいい。あんな大学生活を送っていたわけではないのになぜかしら懐かしくなる。
改めて観ると20年もたっているし、多少古臭く感じてしまうのは仕方ない。舞台劇をそのまま映画にしたような、若干の粗さも感じる。それでもこの脚本の面白さは色あせていない。青春SFコメディ映画の金字塔(言いすぎ)を劇場で楽しめてよかった。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の時計を思わせる大学の時計、ガンダムのポスターとBGMといったオマージュも散りばめられていてニヤッとしてしまう。タイムスリップの設定や粗さはあるが、そもそも本作をSF映画として真剣に論じるのは違和感がある。あくまでコメディとして細かいところは気にせず楽しむのが正解だと思う。
瑛太や上野樹里、真木よう子が出演していたイメージはあったが、ムロツヨシもいたんだな。しかも意外と重要な役。20年たつとちゃんと有名になっていたりするのが面白いところ。ノスタルジックな感情が加算された上での点数なので、他人には参考にならないかもしれない。でも、しょうがない。それなりに思い入れのある映画だから。