「夏!青春!バック・トゥ・昨日の部室!すべてはクーラーのリモコンのためだけに! 世界最小のタイムスリップアドベンチャーの傑作!上田樹里、真木よう子若い!」サマータイムマシン・ブルース ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
夏!青春!バック・トゥ・昨日の部室!すべてはクーラーのリモコンのためだけに! 世界最小のタイムスリップアドベンチャーの傑作!上田樹里、真木よう子若い!
2001年初演、劇団ヨーロッパ企画の同名戯曲の映画化。
今回は、公開20周年記念リバイバル上映。
ある日、大学のSF研究会の部室に「タイムマシン」が突如出現!!
しかし、思いついたタイムマシンの用途は、壊れたクーラーのリモコンを昨日から持ってくることだけ。
それでも過去を変えたら、自分たちも消滅する?というタイムパラドックスを阻止するため、大奮闘。
未来や大昔にトラベルするのではなくて、SF研+写真部の数人の登場人物が、昨日と今日の部室を行ったり来たりするだけ(+α)というごく限られた内容の「タイムトラベル」もの。
「クーラーのリモコン」(エアコンではない!)がたどる時間軸の説明が、非常にクリアー。結局歴史は変えられない?変わらない!
おおげさな内容ではなく、ごく身近なエピソードだけで、十分SFしているところが非常に面白いです。
いろいろと張られた伏線も効いており、脚本が良くできています。
また、数々の小ネタも登場し楽しめます。(そのなかでも「ビダルサスーン」の印象が強烈!)
よく言われように、大掛かりな仕掛けや費用がなくても、脚本が面白ければ面白い映画(あるいはSF)が創れることの一例です。
今観ると、当たり前だが、瑛太、上田樹里!真木よう子!みんな若い!初々しい魅力!
ひと夏の京都、合宿状態で撮影した青春ものの好編でもあります!
原作の演劇もDVD化されており、映画で描かれた部室の外の出来事が、舞台ではどう処理されていたかなど、観比べるのも一興です。
時間表現は映画ではいくらでもできますが、リアルタイムで進行する舞台上で生身の役者たちがどう表現するかが最大の見もの!だから本来は舞台が生きるための戯曲なんです!
以前、舞台の再演、続編(あるんです!)の公演にも行きました!
未來人が出発した2030年まであと5年!
2030年にタイムマシンが開発されたとは言っていなかったのにも要注目。