劇場公開日 2005年10月22日

「7年経ってまた7年。」まだまだあぶない刑事 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.07年経ってまた7年。

2020年10月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 かつての同僚も昇進し、自らも体力の衰えを感じていたタカとユウジ。タイトルは『よぼよぼあぶない刑事』がいいのかもしれない(失礼っ!)。

 生死不明のまま7年経ってしまったダンディ鷹山とセクシー大下。実は韓国釜山で小型核兵器の闇取引をめぐる潜入捜査を行なっていた。7年といえば、民法上失踪宣告を行なえる年月であり、彼らも死んだものとして見なすことができたのである。7年おきに復活する「あぶデカ」シリーズも巧い設定なのかもしれない。

 今回の映画では若手刑事の二人、パソコンオタクの刑事水嶋(佐藤隆太)とガンマニアの刑事鹿沼(窪塚俊介)が加わった以外は、ほぼ前回と似たようなキャスト。さすがに7年も経つと昇進して上司になってしまった者も多いが、タカとユウジにとってはおかまいなしだ。若手刑事の育成を兼ねて、7年前に逮捕したものの脱獄した犯人を追ってゆくが、事件は意外な展開を見せる!といった内容だ。

 劇場版「あぶデカ」シリーズには典型的なパターンが存在する。まずは、重要な凶悪事件に必ず首をつっこむタカとユウジ。そして、必ず死者が出て、捜査チームからはずされる二人。犯人に捕らえられたり、撃たれたりして、次第に単独行動に出る二人。犯人扱いされたり、「逮捕せよ」と上からお達しが出たりするが、同僚刑事や木の実ナナからこっそり助けられたりするといった展開なのだ。今回もそのパターンを踏襲するのですが、昇進により立場が変わってしまった同僚や新人二人によって若干バリエーションを広げていた。

 2005年の時代を反映した趣向もわかりやすく、韓流の影響、『インタナルアフェア』や『香港国際警察』『亡国のイージス』の影響、サッカーJリーグ人気の背景等々、数年経ってから観直してみると、この時代に流行っていたことが懐かしく思えるかもしれないのです。さらに、今までのシリーズの決り文句や行動パターンなどを自嘲気味に笑わせるところも面白かった(「どこからバイク拾ってきたんだよ」みたいな)。もちろん、五十肩や走れなくなったという高齢ギャグも・・・

 アクションが少な目ではあるもののストーリー展開は面白く、仲村トオルのギャグや浅野温子のコスプレも笑わせてくれたのですが、日本映画で核爆弾を軽々しく扱ったことに対して評価が下がってしまいました。

【2005年10月映画館にて】

kossy