「純愛ストーリー自体は良かったけど、脚本・演出に少々難ありだったかな」雨鱒の川 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
純愛ストーリー自体は良かったけど、脚本・演出に少々難ありだったかな
ストーリーそのものについては思いっ切り好みの話で、いいなぁ純愛と思わされるものでしたが、何かと脚本・演出に気になる部分が多すぎて、どうもこう今ひとつ入りきれない映画だったかなと。
純愛ファンタジーなんで、細かいことなんて気にしないで見ればいいのでしょうが、それにしてもね・・・。
それと回想シーンと現代パートの配分が気になりました、回想シーンがいくらなんでも長すぎた気がするのですが。
綾瀬はるか&玉木宏に期待して見た者としては、主役なのに出番少ないなと、回想シーンを見ながらテンションが相当下がってしまいましたよ。
まあでも丁寧に描かれた回想シーンがあったからこそ、感情移入させられたのも間違いない事実なんですけどね、でもやっぱりいくらなんでもこの配分はちょっと・・・。
しかし主役2人の子供時代を演じたのが志田未来に須賀健太とは、これは何とも豪華。
しかもまだ天才子役として名をはせる前の段階の2人ですもんね、大人に成長した今でも活躍している2人の初々しい演技を見れる点では、貴重な映画と言えましょうか。
須賀健太はまだ荒削りと言うか、無邪気な子供って感じで、田舎の子供役としてはまさしく嵌り役と言った感じでしたね。
志田未来は言葉が話せない役でしたけど、笑顔が印象的、まだ天才子役になるようには見えない雰囲気が、逆に新鮮だったかも。
でも回想シーンで一番光っていたのは、何と言っても心平の母親役の中谷美紀でしょう、美しかった!
女手一つで心平を育ててる姿がカッコ良くて、健気で、思いっ切り感情移入させられたなぁ、心平との団欒のシーンはほのぼのしていてホント良かったですね。
北海道の大自然の風景美にも、物凄く癒されたなぁ(雨鱒の描き方は微妙だったけど)、だけに、もう少しコンパクト且つテンポ良く描けば、もう少しいい作品になったと思うのですが。
まあしかし回想シーンも然ることながら、現代パートの突っ込みどころは相当なもので、これはピュアな心を持った方でないと、冷静には見れないでしょう。
勿論、2人の純愛そのものについてはグッと来るのですが、いくら雨鱒になぞらえた話とは言え、クライマックスのアレはない!ただジワジワっと違う方向ではツボに嵌りましたが。
他にも伊藤歩の出現とか、いろいろと上げればキリがない、それと英蔵の言う通り、心平の努力の足りなさもちょっと気になってしまいました。
まあでも出番は少ないながら綾瀬はるかの表情で魅せる演技は堪能できたので、とりあえず見て損と言うことはなかったですけどね。