「2人のかけ合いが最高の喜劇」笑の大学 糸さんの映画レビュー(感想・評価)
2人のかけ合いが最高の喜劇
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「笑の大学」は役所広司(向坂)と稲垣吾郎(椿)の2人によってストーリーが展開されます。
検閲官の向坂が劇団の座付作家である椿の書く台本に1つ1つ難癖を付け、それに対して一晩かけて修正して持って来るという日々。
その段階でより面白いものになっていく台本、2人のかけあいには終始くすっとさせられました。
しかし椿が本音を言ってしまい、向坂を怒らせてしまうシーンがあります。
そこで向坂が出した難題が、一切笑いの箇所が無い喜劇の台本を書け、というもの。
どのように切り抜けてくるのか、どんなトンチで来るのか楽しみにしていたのですが、結局はただひたすらに面白すぎる台本になって返ってきました。
ここはなんとなく期待はずれ。
しかしこれを書いたのが椿に赤紙がきた夜とのこと。
ここでこの昭和15年という戦時下での情勢が盛り込まれます。
あれだけ怒っていた向坂が85回も笑った台本を読み、「死んでいいのはお肉のためだけだ!」と叫んで椿を送り出す姿には、悲しい未来を予感させながらも後味の悪さを残さない感じがしました。
しかしあれだけの面白さを連発していた前半に比べて終盤はどうにも間延びしてしまったような気もします。
決してつまらない訳ではないですが、突然の(もちろん町の様子や設定から予感させてはいましたが)真面目な展開についていけなかったです。
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