「笑いのロールプレイングゲーム」笑の大学 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
笑いのロールプレイングゲーム
初めて見たのは舞台中継だった、セリフのインベーダーゲーム、ああいえばこういうやり取りの軽妙さに舌を巻いた。三谷さんはラジオ、舞台、映画とメディアと役者が変るたびに脚本はすべて書き直したという、コメディというとコント芸や顔芸なぞ一過性の笑いに流す安直な監督も多い中、喜劇への真摯な取り組みは頭が下がる。作家と検閲官、二人の笑いに対するこだわりに説得力があり、喜劇とはどうあるべきかを釣られて考えてしまう、まさに笑の大学、喜劇を通じて喜劇の本質に迫るシチュエーションは秀逸だ。本作はフジテレビの亀山プロデューサーの熱烈なラブコールで実現したが星監督は完成度の高さから随分固辞したようだ。慧眼あたらずとも遠からず、星監督は三谷さんのような奇人ではない分、灰汁が抜け綺麗に纏まりすぎた気がしないでもない。
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