「―PFFスカラシップから羽ばたいた才能たち―①の1」バーバー吉野 osincoさんの映画レビュー(感想・評価)
―PFFスカラシップから羽ばたいた才能たち―①の1
『川っぺりのムコリッタ』との二本立て。
荻上直子監督と天野真弓プロデューサーのトークショー付き。
『かもめ食堂』で名を広めた荻上直子監督の、長編劇場デビュー作品であり、第13回PFFスカラシップ作品。
PFF (ぴあフィルムフェスティバル)スカラシップという制度があることを、この企画で知りました。
映画版スター誕生みたいですね。
トークによると、監督が最初に持ってきた作品はこれではなかったそうで、審査員達は全くの無反応だったそう。その中の1人だった天野真弓プロデューサーは、初めて観た荻上作品『星ノくん・夢ノくん 』(2001)がとても印象深かったので「なんか他に無いの?」と問いかけたところ、「実は、床屋のおばちゃんがいて、男の子達がみんな同じ髪型で…」と、なったら、審査員の顔がワッと上がって、「それいいじゃん!」と『バーバー吉野』が採用されたそうです。
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公開当時、かなり印象的なポスターで、面白そうと思いながら見逃していました。
子供たちがかわいいです。
ちょこちょこ性の芽生えというか、ちょいエロが挟まります。
男子は本当にこうなのか、監督がイメージする男子像がこうなだけなのか。
男子の意見が聞きたいところ。
絵に描いたようなエロ本を久しぶりに見ました。
よく学校の帰り道に落ちてましたよね。
あれは、大人のイタズラですか?
もたいまさこさんはうますぎてホラーでした(笑)
この映画を通じて、村社会、慣習制度をバッサリとしたかったのかしら?監督自身、スタンドバイミーも大好きだそうですが、ぼくらの七日間戦争に通じる感じもしました。
トークショーによると、たった2週間で撮影したそうです(子供達を拘束できるのが春休みの間だけで、予算も少ないため)!
荻上監督はもともと写真専攻だったそうで、上手い人が多すぎるから映画にしよ、と渡米してしまったのだそう。
フットワーク軽い!
6年間アメリカで過ごしたことで、日本を客観的に見られる時間が出来たのは大きなことだったようです。
ピンクのタオルを干してるシーンとか、吉野刈りの少年達が聖歌隊衣装(床屋マント?)でハレルヤとか、お花畑を歩くシーンとか、色合いがかわいくて絵になります。
静岡の伊豆下田などで撮影したそうですが、最後のお祭りのシーンは雨が降って1日延期したものの、翌日も雨で、決行したそう。子供達は修学旅行状態で、夜興奮して寝ないから、撮影中に眠くなってしまったりもあったそう。そういう裏話を聞くと、また印象が変わってきますね。
あぁ〜もたいさん、タオルの扱いや、柿ピーの使い方も怖かったなぁ。
潔癖症ではないけどザワザワする(笑)