東京原発のレビュー・感想・評価
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段田安則さん紫綬褒章受賞おめでとうございます
2度目の鑑賞
監督と脚本は『卓球温泉』の山川元
政治系コメディ
粗筋
東京の新宿中央公園に原発誘致をぶち上げた天馬東京都知事
都の関連幹部を会議室に集め莫大な経済効果をアピールしたがじつは原発問題に無関心な都民に関心を持ってもらおうという反原発の立場からのパフォーマンスだった
原発誘致の真相を知った都の幹部職員の泉ら数名が斜め左を眺めるシーン
爆弾犯の少年からの電話を都知事中心に都の幹部全員がギュッと集まるシーン
エレベーターにやたら多人数でぎっしり入っているシーン
絵面的に好き
クライマックスはトラックに仕掛けた爆弾処理のシーン
段田安則さん汗かきすぎだがスタッフの霧の量が多すぎたか
何かしら物足りない
それがなんなのか今もわからない
1回目はいまいちピンと来なかったが
東日本大震災後10数年経って2回目の鑑賞だがこの作品は思いのほか深かった
当時だから作れたのであって当然のことながら今は無理
配役
原発誘致を提唱する都知事の天馬に役所広司
天馬によって民間のシンクタンクから引き抜かれた副知事で広島出身の津田に段田安則
几帳面で神経質な産業労働局長に笹岡に平田満
気弱な性格の政策報道室長の佐伯に田山涼成
「もんじゅ」を「もんじゃ」と言い間違えた財務局長の大野に岸部一徳
大野の「もんじゅ」の言い間違いを指摘した都市計画局長の石川に菅原大吉
冷え性の環境局長の泉に吉田日出子
原子力の危険性について説明する東京大学教授の榎本に綾田俊樹
天馬の特別秘書で風邪をひいた及川に徳井優
プルトニウム輸送を計画する原子力安全委員の松岡に益岡徹
プルトニウム燃料を輸送中に道に迷うアル中の新人トラック運転手の中村に塩見三省
プルトニウム燃料の輸送トラックをカージャックする少年の青山透に後藤昂
中村の同僚のトラック運転手の渋谷に渡辺哲
政策報道室職員の木村に佐藤誓
政策報道室職員の広山に小林麻子
政策報道室職員の山田に山中聡
政策報道室職員の辻宗に尾道凛
政策報道室職員の元木に西岡秀記
都市計画局局員に岩井真紀
産業労働局局員に林和義
指令情報室職員に川屋せっちん
指令情報室職員に西川方啓
NHK記者に寺十吾
NHKカメラマンに恩田括
マッサージの男に相島希逸
SPに大久保運
SPに飯尾英樹
松岡の部下に村上連
案内嬢に朝倉乃亜
政策報道室職員に猫田直
あの震災の前に警鐘を鳴らしていた作品のひとつ
原発のコストは、やはり廃棄物処理を含めて考慮すべきもの。温室効果ガスの抑制だけで判断していいものではない。
この作品で特に期待されていた蓄電池や水素、ゴミエネルギーは2022年のいまどうか。再生可能エネルギーの課題も多い。
いずれにしても、地産地消はいいと思う。
勉強にはなるけど映画としてはダメ
アマゾンプライムで★4.5という驚異的な高評価だったので観ましたが個人的にはイマイチでした。解説ではサスペンスとなっていますが、実際にはコメディ色の強い映画なので、骨太で緊迫感のある映画を期待すると肩透かしを食らいます。
ストーリーとしては、日本の原発政策の問題点を解き明かしながら、日本政府と国民の無関心を批判するものとなっており、「反原発映画」と言って間違いないでしょう。
原発推進派の意見と反対派の意見がどちらも分かりやすくまとめられており、真偽の程はさておき大変勉強になります。2004年の時点でこれだけ原発問題に切り込んだ映画があったことには驚きですし、公開当時よりも福島の事故があった今だからこそ考えさせられる映画です。
ただ、劇中のほとんどが変わり映えの無い会議室で原発の話をするだけでなので、絵的な面白さはありません。映画ではなく大学の講義か講演会を聞いている気分になります。また、後半に爆弾テロのくだりがありますが、唐突で脈絡もなく展開に無理がありすぎます。はっきり言ってクソみたいな脚本です。原発問題を知る入口としては観て良かったと思いますが映画としては高評価は付けられません。
2004年にこんな映画があったなんて
2022/2/6、タイトルに惹かれてAmazonPrimeで視聴しました。2004年にこんな映画があったなんて知りませんでした。
ストーリーもよく考えられていて、出演者の演技力の素晴らしさもあり、あっという間の2時間でした。
原発に対してはいろんな意見があると思いますが、多くの人に見て欲しい作品だと思います。
エネルギー政策とは・・・
エネルギー政策とは何かを考えさせられる映画。
原発は安全だということを軸に話が展開されていくわけだが、その中で我々が疑問に感じることを演者が問いかけて「当時として解っていること」を淡々と答えていく。
この映画は作者から、何も考えていない有権者への警告でもある。
この作品は全編とまでは言わないが中学校や高校で課外授業として流して子供達に考えさせるきっかけをつくるのに向いているような気がした。
また、実力派俳優ばかりが出ていて単純に面白かった。
最後に福井の高速増殖炉「もんじゅ」は大失敗に終わり、この映画で語られているエネルギー政策の根幹が揺らいでいる。
使用済み燃料については未だに解決しておらず、最終処理場(単なる保管場所)すら決まっていない。
考えることを後世の人間に丸投げしてエネルギーを消費している事こそ、日本の財務の黒字化よりも深刻で先に解決しないといけないのではないかと思った。
こんな映画を作る気概がまだこの国には残っているだろうか
こういう映画を2004年には作れる国だったのだ。
そこから原発事故を経ても国民、都民は何も変わっていない。
今はこんな映画を作る気概も残っていないのではないだろうか。
製作する雰囲気も、それを受け入れる観客もいないのではないだろうか。
最後に都知事の台詞を。
原発を支持する人間は都会に多いのに、何で環境破壊する地方にばかり原発を建てるんだ。海のそばの条件なら東京だって海はあるぞ。何で東京だけが駄目なんだ。新潟や福島の原発には賛成しているくせに。…じゃあ何で傍観者でいられるんだ。国の政策を傍観してるってのは、賛成してるのと同じことだ。
こんな映画もあったのに・・・
『Fukushima50』を観てる途中でこの映画のことを思い出しました。当時としては画期的で、風刺に富んだ内容だったのですが、誇張されすぎだとか専門家の意見は違うとかで、何かと問題になった映画でした。どうして都会には原発を作らないのか?という点が一番の問題なのです。
以下、当時の感想そのまま
20数年前に「東京に原発を!(広瀬隆:1981年)」という本が話題になった。それほど安全ならば東京に作ればいいと言うもちろん皮肉たっぷりの作品であり、この映画もその流れを汲んでいる。都知事役所広司の演技は現都知事と現首相を合わせたような性格設定で面白いし、前半の説明では観客も東京原発を支持してしまうくらいの熱弁ぶり。東京乾電池の綾田俊樹が登場してからは、ガラリと内容が変わり観ている側の心理も操作されてしまうほどの面白さなのである。
しかし、勉強にはなったもののサブストーリーの少年テロリストに関してはリアリティが無い上、緊迫した場面にもギャグをはさんで興ざめとなったりして、物語としても失敗なのであろう。と言っても、このマイナス分を補うだけの原発に対する熱意が感じられる作品なのだ。原発についての勉強のつもりで観た方がよいでしょう。
〈2004年6月映画館にて〉
存在した警鐘
2002年に完成したものの反原発色のため公開が見送られ2004年公開となったいわくつきの映画。案の定原子力村から劇中の学者の説明は誤りが多いと批判が噴出したらしい。
トラックに積んだ再生済み核燃料が雨くらいで臨界を起こすのは誇張だろうし、流石にあんなルーズな輸送方法は漫画であろう。想像であるがシリアス過ぎると潰されるのでコメディに逃げて保険を打ったのかもしれない。水爆投棄事故の「魚が出てきた日」と同じセオリーを感じる。
悲しいかな福島の事故で原発にも絶対は無いことが証明されてしまった今ではこの作品の先見性を評価せざるを得ないであろう。もう一つの指摘のテロについては幸いなことに起きていないがこれとて無いと言い切れるものでもない。残念ながら役所広司さんの劇中のセリフ通り風化が始まっている、人間は過ちを犯すものだが問題なのは同じ過ちを繰り返すことの方だろう。
イデオロギーの強い映画は苦手であるが、TVメディアでは原発批判は商業的タブーとされていた時代に映画なら可能とあえて臨んだ勇気ある映画人がいたことは賞賛に値しよう。
原発は都会から離れた海に面した田舎にある。そこが都会を支えている。...
原発は都会から離れた海に面した田舎にある。そこが都会を支えている。
でも近くに原発ができるとなると、東京都民はどう思うだろうか。
原発から出たプルトニウムの行き先は六ヶ所??
それ思うと、これを建てることで問題となることが解決されていないで、作ろうと?
都知事のやり方は危険もはらむが、原発廃止に向かおうとするやり方としては国民主権主導の政治とからんでいい方法じゃねぇか!
絶対安全なら
広瀬隆の「東京に原発を」が底本だと思う。
昔から、そんなに安全で究極のクリーンエネルギーなら東京に作ればいい。新潟や福島から送電で半分以上エネルギーロスするんだから(当時の技術)、最大消費地の新宿の隣に作るのが最も効率的で理想的。
という話はありました。
そこを純粋に突いていったら、もっと面白くなったと思う。テロは最後の方にくると良いと思った。
でも面白かった。
日本の原発は安全です→「なら東京に建ててみろ」というのを東京都知事...
日本の原発は安全です→「なら東京に建ててみろ」というのを東京都知事が言い放つのがおもしろい。
ぶっとんだ都知事ではあるが、実は国民思いの熱い人。逆説的に愚民に原発のことを考えさせる。
B級コメディなのだろうと思って観ていたら、原発の基礎知識からはじめる真面目な教育番組のようにすすんでいく。
都知事の周りの人たちもイイ人ばかりで良かった。
原発を考える
福島第一原発事故以来、放射能汚染のニュースを見ない日がない今だから、原子力発電所の必要性と安全性を考える上で、若い人に是非見てほしい。
難しい内容をコメディタッチで描かれていて鑑賞しやすい。
3.11 原発事故を経た今。この作品内容には驚愕
タイトルの『東京原発』って、インパクトありますよね。
原発問題を取り上げた内容に興味をひかれ、DVDを借りて観てみました。
2004年公開の映画だから、今から約7年前の作品なんですが、
いや~観て驚きました。
3.11 東日本大震災に端を発した原発事故を経て、この作品を観てみると、
とても意義深い作品なんだと感じます。
原発をとりまく状況や様々な問題点、真相など、
今でこそメディアで多く取り上げられ、
それを知ることもできるようになりましたが、
7年前に公開されたこの映画の中で、すでにそのほとんどが語られていたなんて…
思わず、これ3.11以降に制作された映画じゃないの?
って勘違いしてしまいそうです。
もしこの当時からしっかり原発問題に目を向けていれば、
今のような結果には、なっていなかったでしょうが、
当時それを真剣に考え実行できた人は、多く無かったでしょうね。
私はこんな映画があったことすら知らなかったし…
この映画の制作陣には敬服します。
そんなシリアスなテーマを扱ってはおりますが、
ブラックユーモア満載のストーリー展開と、
ユーモアセンス満点の名優が揃い、
楽しみながら、原発問題を学べる映画になっています。
タイムリーってこともありますが、今観るべきお勧めの映画ですね。
これからあなたは、どんな行動しますか?
映画「東京原発」(山川元監督)から。(自主上映会だった)
東海地震が迫る今、浜岡原発を抱える静岡県民にとっては
とても関心のある作品であった。
東海地震の被害想定には「放射能被害」が入っていない、
そんな耳慣れない単語が飛び交い、私のメモは増えた。
原発推進派にとっては、
耳を塞ぎ、目を覆いたくなるような内容であった。
作品の後半で
「人間はすぐ過去を忘れる、終わったことは忘れる」
という台詞を、都知事役の役所広司さんが言い放った。
暗闇の中で、私は手探りでメモを書いた。
上映後は、元原発技術者が浜岡原発の危険性を訴え、
「原発を作ってきた人間としてお願いします」と
その運転中止に向けた活動に協力を呼びかけ、
来場者の拍手を浴びたシーンが印象に残っている。
しかし今回の一言は、会場で書いたアンケート項目のひとつ。
「いい映画を見た」「久しぶりにいい話を聞いた」と
感想を書いた後の問いだったから、余計にギクっとした。
大切なことは、これから(今から)のあなたの行動。
この映画を見て、明日から原発反対で動くぞ、と感動しても、
翌日になると、もうすっかり感激が薄れてしまい、
また、いつもの生活に逆戻り。そんな私たちに忠告している。
黒澤明監督の「生きる」(主演・志村喬さん)にも似た
人間の心の弱さを指摘された気がした。
「感動するだけではダメ、そう思ったら少しでも動きなさい」
そう問いかけられているようで・・・。
明日からの活動に少しでも役に立たせたい、心からそう思う。
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