「「恋する○○」というタイトルの映画はヘンな作品が多い」恋する幼虫 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
「恋する○○」というタイトルの映画はヘンな作品が多い
幼児期、とは言っても中学生か高校生くらいの主人公が憧れのいとこカズエの家で見たトラウマ級の出来事。普通にセックスシーンを目撃したのではなく、目玉を引っ張ってグリグリする行為だったのだ。いや、実際に見たら誰でもトラウマになるわ!
ふと同窓会に立ち寄ったフミオ(荒川良々)は、男子生徒からイジメを受け、その憂さを晴らすべく女子を傷つけていたことが発覚。本人には全く記憶がないところが逆に痛いのだが、傷が残っている佐々木ヨシエ(乾貴美子)から逢って欲しいと懇願されるまでになった。M気質なのか異常性愛なのか、その時にはフミオは自分が傷つけた藤井ユキ(新井亜樹)に恋心を抱いていた。
顔の傷は消えることなく、赤く腫れあがり、第二の口が形成され、甲殻類のような触手が伸びてくる。グロ、グロ・・・なのに惹かれてしまうフミオ。血を求めるユキ。最終的には自分の血を与えようとする彼の中には四肢欠損性愛のような感情があったのだろう。何しろフミオもユキも性的経験不足。鬱屈した性欲が互いに傷つけ合う異常性へと発展したものだったのだろうか。
ストーリー展開としては、よくあるヴァンパイアものになっているし、最後にはゾンビ映画のように破滅的な世界観を見せてくれるのだが、異常性愛の描写という点では群を抜いているように思う。井口作品はスカト○か欠損マニア、たまに普通の変態映画。一旦見てしまうと中毒性があるためか、他の作品もチェックしたくなるほどだ。
荒川良々をはじめとして、役者の演技は全然ダメなんだけど、恐怖シーンだけは皆表情がいいし、走る姿がコミカルで楽しい。また、音楽もヘンテコなんだけど中毒になりそうなほど印象に残る。ただ、何度も登場するメローな曲は「モーニングアフター」に似てる・・・