「対等に話し合うにはこれしかない!」映画ドラえもん のび太と雲の王国 HIROさんの映画レビュー(感想・評価)
対等に話し合うにはこれしかない!
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2025年1月30日、Amazonプライムにて視聴。
テーマがかなり重い映画第13作目。
「アニマル惑星」では若干触れる程度になっていた環境破壊をメインテーマにしつつ人間同士の話し合いの困難さを教えてくれる中々異色な作品。
正直ドラえもんにここまで重いテーマが必要かは判断が別れそうだがストーリー自体はかなりしっかりしておりドラえもん映画としてもトップクラスの完成度なんじゃないかと、序盤の大国作りの楽しさや中盤でドラえもんが故障や大洪水等の絶望感などテーマの重さ以外での見どころも良い、ドードーとモア、ドンジャラ村そしてキー坊と漫画やアニメの過去作のキャラが重要な所で出てくるのも注目ポイント。
天上人に関しては映画過去作の海底人や地底人とに通った立ち位置かつ完全な悪人という訳では無く、地上人を嫌う理由も納得が出来るのだが一方的な意見とろくな話し合いも無しに地上文明の崩壊を目論むなど、ドラえもんをして天上世界を崩壊させかねない兵器を抑止力としてチラつかせないとまともな交渉のテーブルにすらつけないと覚悟させる辺り実にリアルな人間らしい敵役かと、比較的友好的だったゲストヒロインのパルパルですら大洪水で地上文明が滅ぶのは地上人が全部悪いというスタンスを崩す事が無かったあたり1つの固執した考えに染まった人間達の厄介さはかなりヤバい。
現実の外構交渉や安全保障もろもろを簡単かつ解りやすく説明するには極めて適した教材なんじゃなかろうか?
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