「未踏の地に向かっての大冒険」映画ドラえもん のび太の大魔境 森林熊さんの映画レビュー(感想・評価)
未踏の地に向かっての大冒険
誰も知らない場所へ行きたいということで衛星写真を見まくった結果見つけた秘境。そこへ向かって5人は100kmもの旅をすることに。しかしドラえもんの道具で冒険感が薄れ、あまりにイージーモードなため、ジャイアンの一存でタケコプター、ショックガン、スモールライト、桃太郎印のきびだんご、スーパー手ぶくろ、空気砲などのひみつ道具を日本に置いて封印する縛りプレイとなった。
この5人に加え、謎の犬ペコを連れて行くことになる。ところがどこでもドアでいつでも戻ればいいやと思っていたのに、ドラえもんのミスでワニに食べられてしまい使用不能。なんとか辿り着いたサバンナでもライオンに襲われてピンチに陥るが、ペコがコッソリ助けてくれる。実はペコは目的地である秘境にある犬の王国「バウワンコ王国」の王子であり、二足歩行で歩ける上に何故か日本語もペラペラという犬が人型になった生物だったのだ。更に普通の犬形態にもなれる。世界征服を企む大臣ダブランダーの奸計によって父である王を暗殺されたペコは、命からがら川を流れ船に乗り、日本にまでやって来たということだった。
衛星写真で見つけた巨神像にピンチを突破するカギがあると考えたドラえもん達はなんとか巨神像まで辿り着くが、兵隊に囲まれてピンチに。そこでしずかちゃんが先取り約束機を使ったことで、未来からドラえもん達が助けてに来たことでピンチを脱出する。しかしここで一番最初のドラえもん達はどうやって助かったの?とか考えてしまうが、先取り約束機は原因と結果を逆転させるひみつ道具なので、そういうことも出来ると納得するしかない。まぁタイムパラドックスが頻発するのは、ドラえもんではよくあることだが。
巨神像に入ることに成功したドラえもんは、巨神像を動かすことに成功し、巨神像を大暴れさせる。ドラゴンクエストIVに同じように巨神像を動かすシーンあったなぁと思いましたが、当然今作の方が古い。飛空艇や戦車を次々と破壊し、形勢逆転しバウワンコ王国に平和が戻る。世界征服を企んでいるということだったが、見ている限りこんな飛空艇や戦車では第一次世界大戦レベルじゃないと勝てないだろうと思う。国力もそんな無さそうだし、何故世界征服出来ると思ったのだろうか。物を知らないというのは恐ろしい。
という訳でここであの道具使えばいいのに、というのを減らすことに成功している点は評価点。まぁこの後の作品では、如何にひみつ道具を使わせない展開を作るかみたいなものが多くなりますが。また、今作ではどこでもドアが使えなくなったことで、簡単に帰れないということで冒険感を上げることに成功しています。ジャイアンの成長とも言えるものがあるのもいいです。という訳で3作見た中では一番いい作品でした。