劇場公開日 1981年3月14日

「しずかちゃん達の出番が少ない」映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史 森林熊さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0しずかちゃん達の出番が少ない

2025年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

劇場版ドラえもん第2作。
序盤はこれホントにドラえもん?という感じで進んで行く。スーパーロボットのノリでワープ航法を行い、超空間に閉じ込められたロップルとチャミーの宇宙船の倉庫の扉とのび太の部屋の畳が次元の歪みで繋がって、のび太たちと知り合いになる。次元の歪みがいつ戻るか分からないみたいな感じなのに、のび太たちは頻繁に遊びに行き、しずかちゃんたちを連れて行くこともあるのは謎。どこでもドアで行けばいいのでは?と思うが、最後は今生の別れみたいな感じなので、どこでもドアで行くことの出来ない次元の違う世界なのかも知れない。

舞台のコーヤコーヤ星の空気はとても澄んでいるらしく、地球の空気を吸ったロップルとチャミーは咽るほどだった。そんなコーヤコーヤ星はエネルギー源となるガルタイト鉱石の発掘が出来るということで、ガルタイト鉱業と開拓住民が衝突しているという、なんとも子供向け映画とは思えないテーマで話が進行する。重力の軽いコーヤコーヤ星ではのび太はスーパーマンになって活躍出来るということで、ガルタイト鉱業の手先を何度も撃退するのだが、しびれを切らしたガルタイト鉱業はコーヤコーヤ星を爆破するという強硬手段に出る。いくらなんでも突飛過ぎないだろうか。これまで証拠が無いから警察は介入出来ないということだったが、さすがに惑星吹っ飛ばして証拠を残さないのは無理がある。

ただまぁこれものび太達の活躍で防がれるのだが、爆発を防ぐのも、殺し屋ギラーミンを倒すのも全てロップルに持って行かれてしまうというのはさすがにどうなんだろうか。そしてしずかちゃん、スネ夫、ジャイアンの出番が兎に角少ない。前半にコーヤコーヤ星に来たものの、ガルタイト鉱業に恐ろしい目に遭わされて早々に退散。その後はのび太のピンチを知って助けに来てくれるのだが、それくらいしか出番が無い。ドラえもんの映画としては唯一無二と言っていい出番の少なさでは無いだろうか。

ロップルの妹クレムなんかはのび太があやとりを教えるシーンがあったり、最後に雪の花をのび太にプレゼントしたりと、ヒロインになれる感じなのに、あまり出番が無いのは残念。別れのシーンでもあやとりを披露してくれるのだが。コーヤコーヤ星の1日は地球の1時間という精神と時の部屋方式で進むので、放課後にスーパーマン活動をするという感じで進むため冒険感が少ないのは残念なところ。

森林熊