「OVA」機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
OVA
ニナの恋愛模様がウザい。
終盤になってあの展開は必要だったのかしら…?
映画自体は見ておらず、自粛期間中にてNET FLEXにて全話鑑賞。
終始ガトーが渋いわけだが…見方を変えるとテロリストの精神性に震えたりする。
自分達こそが正義で揺るがない信念が共存する。よく練られたキャラだった。
作画自体に懐かしさはあるも、OVA全盛期の作品だけあって作り込まれてる。
ガンダムとガンダムが戦う構図ってこの作品が初めてだったんじゃなかろうか。
今はもう戦隊物の如くガンダムが列挙されるし、ガンダムvsガンダムなど珍しくもない。当時としては画期的だったのだと思う。
ただ、GP03が登場してからはやたらに駆け足だったような印象がある。
佳境であり、盛り上がるはずなのだけど…思ったより予算が組めなかったのだろうか、打ち切りを宣告されたかのような怒涛の展開だった。
見終わってハタと気付くのはGP02の設計思想である。あんな能天気なニナが条約違反の核兵器装備の機体を設計し悦に入るのが、どおにも気持ちが悪い。そこで出てくるのが、過去ガトーと恋仲だったってエピソードなのだけれど…GP02にはガトーの思惑も加味されてたのだろうか?
だとするなら、強奪の折、一切の淀みなくGP02を操ってみせたのにも納得はいく。
なんか、ガンダムでありながら昼ドラまがいのドロ沼臭がしてきた…。
このヒロインは相当イカれてる。もしくは性格が破綻してる。それに付き合う主人公も相当アホだ。なるほど、主軸の2人に違和感を抱きまくってたのが、楽しめなかった敗因でもあったのだな。
ニナの最後の笑顔も解せんのである。
あんな時に笑える女は相当に図太いと思うのだ。可愛い顔してやってる事はエゲツない…。そんなエンディングにも打ち切り感が漂う。
名台詞
「ソロモンよ、私は帰ってきた!」
を聞けたのは良かったのだけど、佳境に至る失速感は否めず、残念であった。
そして、最後の最後までコウの声が上滑りしてるようで耳障りだった。
下手くそなド新人がやってたのだなぁと、ずっと思ってたのだが…最終話のエンドロールでもしやと思いCVを確認したら堀川りょうさんだった。至極納得。
俺はあの人の声が苦手なのだ。
結局のところ、ガトーの信念も、ニナの心情も、コウの葛藤も、コロニー落としの大義も、ガトーの復讐も、うやむやになりおざなりにされていったように思う。
落ちていくコロニーにニナが向かってくのは分からなくもないが、なんでコウまでわざわざガンダムを降りてまで行ったのか謎だ。
ましてや手遅れのコロニー内で、寝返った女の名を叫ぶような鬼畜の所業は看過できない。
脚本家もイカれてる。
残り3話で瓦礫の如く崩壊した不遇の作品と呼べるのかもしれない。