「杜崎拓と武藤里伽子に久しぶりの再会」海がきこえる かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
杜崎拓と武藤里伽子に久しぶりの再会
93年5月5日のこどもの日、何気なくTVを付けた夕刻の出会い。
その日から約32年ぶりとなる今日、杜崎拓と武藤里伽子に久しぶりの再会をしてきました。
ジブリの若手製作陣が宮崎駿さんに試写の段階で否定されてしまった「写真から起こしたアニメ作り」のおかげで一気にあの頃へと戻る事ができました。
導入時の吉祥寺駅から見える映画館の看板、ラジカセにFM雑誌、並んだ公衆電話、建造中の新都庁舎、そしてスプライトのデブ缶に至るまで、細部に渡り再現された時代が本当に心地よく、郷愁で胸が一杯になります。
アニメにも関わらず、ここまで現実的な懐かしさを誘う作品はおそらく本作だけじゃないかと思います。
本作の後、「写真起こし」を否定したはずの宮崎駿さんは実在する聖蹟桜ヶ丘の町を使って「耳をすませば」を完成させていますが、等身大の高校生を描いた本作とは違う畑の作品でしたし、描いている本質の部分が違うため郷愁を感じるまでには至らない作品でした。
古臭いと言われてしまえばそれまでなんですが、あの時代に生きた者たちのリアルが一杯詰まった奇跡のようなアニメです。
毎年、何処かの映画館で上映されているらしいですが、2度とTVでは放映できない作品となっておりますので、この再上映の機会を逃す手はないと思います。
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ねこたまさんのコメント
2025年7月5日
おっしゃるとおりです。
リアルタイムで観たときも良い作品だと思いましたが、歳月を経て、より名作だと思うようになりました。
歳月が磨き上げた稀有な作品の一つになりました。
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