劇場公開日 1993年12月25日

「人生で一番好きなアニメ」海がきこえる FUNAOさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人生で一番好きなアニメ

2022年6月21日
iPhoneアプリから投稿

この作品を好きだと言う人は少数派かもしれないし、逆に嫌いという人の気持ちもすごくよくわかります。特に主人公の女性キャラクターは、個人的には正直あまり好きになれません。こういうキャラを好きだと言い切れる人は、少し感性が合わないかもしれないと思うほどです。

それでも、僕はこの作品が本当に好きです。なぜか?理由はうまく言えないのですが、一番は「絵の力」だと思います。近藤勝也さんのキャラクターデザインがとにかく素晴らしくて、その絵に惹かれて最後まで見てしまいました。自分の中では、この作品は原作者の氷室冴子の作品でも、望月智充監督の作品でもなく、完全に近藤勝也さんの作品だと思っています。それくらいビジュアルの存在感が圧倒的です。

ストーリーや演出も悪くない。でも、冷静に見れば決して面白いとは言えないし、人に強くオススメできる作品ではないと思っています。それでも、自分の中では人生で一番好きなアニメです。

特に共感したのは、杜崎拓というキャラクター。最初から最後まで彼の視点に自然に入り込めて、まるで自分が主人公になったような感覚で観られました。恋愛ものにありがちなご都合主義がないのも、この作品の美点です。偶然の出会いを無理に演出するような場面はなく、すべてが「ありそうである」範囲で描かれている。その自然さが、心に残る理由の一つかもしれません。

音楽も雰囲気も素晴らしく、いつかこの舞台になった高知に行ってみたいと思わせてくれる作品でした。

まとめると、「他人には勧めにくいけど、自分の中では特別」なアニメ。そんな作品に出会えたことが嬉しいです。

FUNAO
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