「本作こそは実は西田敏行さん追悼に最も相応しい作品だったのかも知れません」ゲロッパ! あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
本作こそは実は西田敏行さん追悼に最も相応しい作品だったのかも知れません
ゲロッパ
2003年邦画
西田敏行さんさん主演
西田敏行さん、2024年10月訃報に接しました
76歳の早過ぎる死でした
彼の膨大な仕事の中でもさして注目されない作品だと思います
彼の回顧ニュースでも取り上げられるのは釣りバカ日誌などの有名作品ばかりでした
確かに本作が西田敏行さんの何を代表しているのかと問われると困ります
しかし彼のアドリブの暴走がもたらす高い演技の世界は確かに本作の中に濃密に詰まっていますそこは楽しめると思います
映画としての面白さは、ソウルミュージックのマニアであれば2倍面白く感じられるでしょう
自分は大昔からのソウルミュージックマニアなので大いに楽しめました
しかしそうでなければ、半分しか面白くないでしょう
つまりソウルミュージックマニアのうちわ受けネタが多いのでマニアでなければ置いてけぼりになってしまうだろうと容易に想像できます
何でソウルミュージック?
何でジェームズブラウン?
意味なんて無くて監督かは制作陣の誰が好きだったというだけでしょう
2003年にジェームズブラウンの来日公演があったばかりだったのでその感激が本作になったというだけのことだと思います
あれから21年
西田敏行さんは映画の中では53歳
まだ元気に踊り弾けています
本作の中にソウルミュージックのコアなマニアの人たちが大勢写っています
彼ら彼女達も西田敏行さんとあい前後して永眠なされた方もおられます
なんかそんな小さなコミュニティーの記録になっています
山本太郎、ラサール石井といった政治的に香ばしい面々も多く登場します
後年、パヨクとして名をはせた人物たちが集合しています
これは監督の人脈なのでしょう
山本太郎などはいまや党首になって国政に関わっています
時代は流れ移り変わってっていったのです
21世紀にずっと下の世代の若い人が本作を観る意味や意義は何でしょうか?
自分には良く分かりません
多分無いと思います
ただあなたがソウルミュージックマニアならマストです
一般の観客の二倍は面白く楽しめることは約束できます
腹を抱えて笑うことができます
JB だけでなく数々の挿入曲も全てソウルミュージックです
マニアが撮ったことが良くわかる作品です
それらの曲は皆、本作公開時点からでも25年は昔のヒット曲ばかりです
つまり団塊の世代の彼らが20歳から30半ばの時代の全盛期の頃のものなのです
その彼ら彼女らが50歳を越えて老境という監獄にに入ろうとしている
その前に思い残すことがないようにしたい
蝋燭が消える前により一層明るく燃えるように
そんなあがきを描いた映画だったのです
西田敏行さんだけでなく
団塊の世代の人々が老境に入って行く謝別の作品であったのです
人間の寿命には超法規的措置なんてないのですから
その意味で本作こそは実は西田敏行さん追悼に最も相応しい作品だったのかも知れません