ゴジラ×メカゴジラのレビュー・感想・評価
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機龍を通して描かれる命の重さ
◯機龍を通して描かれる命の重さ
初代ゴジラの骨さえも利用して
兵器にしてしまう人類の罪深さ。
家城茜た湯原親子も命に関連する
バックボーンを持っており、
映画を通して命がテーマとなっている。
◯真のメカゴジラ 3式機龍
ゴジラの骨を利用して作られた
正真正銘のメカゴジラ。
デザインが秀逸すぎる。
多彩な武装で攻める重武装型。
高速な格闘が得意な高機動型。
敵を凍らせ分子レベルで粉砕する
アブソリュートゼロ。
ゴジラの咆哮による暴走など、
生体ロボットならではの要素。
◯釈ゴジ
ミレゴジの尖った部分を調整して
マイナーチェンジしたようなデザイン。
放射熱線時の背鰭は稲妻のように
発行する。
◯家城茜
クールな性格で暗い過去を持つ。
自らを「望まれない命」としており、
機龍と自分を重ねている。
◯他の東宝作品と地続きの世界観
「モスラ(1961)」、
「フランケンシュタインの怪獣
サンダ対ガイラ」
◯過去作キャスト多数
「怪獣大戦争」等に出演した水野久美、
VSシリーズに出演した中尾彬を
筆頭に過去作キャスト多数出演。
中尾彬演じる五十嵐総理が
機龍出動を決めるシーンが
カッコ良すぎる。
松井秀喜も本人役で出演。
△リアリティとかいろいろ
後半は機龍の遠隔操作機能が壊れ、
家城茜が直接乗り込んで操作するが、
作中でも言われている通り戦闘中は
内部にとてつもない重力がかかる。
その状態でゴジラの熱戦を受けて
転倒したり、海に突っ込んだりするが、
普通なら死んでいる。熱い展開のみを
重視した結果違和感が生まれる。
孤高の女自衛官
今度のメカゴジラは初代ゴジラの骨から製作、ゴジラのDNAコンピュータという訳のわからぬ発明はジュラシック・パークの影響か、無理やりSF感を盛っている感じ。
前作で搭乗型に進化かと思ったら遠隔操縦に逆戻り、ジェット機に吊られて移動とは退化じゃないかとがっかりしたら空中切り離しで自力飛行可能じゃないですか、リモコン故障で搭乗して操縦、なんだやればできるんじゃないですか・・。なんで出し惜しみするのか意味不明。
主人公は天涯孤独、逞しく生きる女自衛官でメカゴジラ機龍の初代操縦士茜、殺したのはゴジラなのに茜を逆恨みする同僚や下心ありありのバイオロジーの博士親子が絡んで面倒臭い話で尺稼ぎ、市井の人々は逃げ惑うばかりで政治家と軍人が幅を効かせています。
劇中で「生まれてこなくていい命なんてない」と命の尊厳を語るのに自衛隊の戦車では歯が立たないと分かっているのに毎回出動しては全滅の繰り返し、武器は機龍しかないと言っているのにどれだけ自衛官を犬死させるのか・・。言ってることとやってることのちぐはぐさに唖然とする脚本、ゴジラ映画と言うことでゴジラ松井も特別出演と受け狙いにだけはそつがない。
台風と共にゴジラも上陸、どちらも大災害という位置づけは単純明解、絶対零度の冷凍兵器をなんでわざわざ海の中で使うのか、ドル箱のゴジラだから何としてでも殺せないジレンマがありありでした。
メカゴジラも3代目、ゴジラを倒せるのはゴジラだけのコンセプトで生まれたが格闘戦と言うよりビームの吐合いばかりだし戦闘兵器というならゴジラ形体の必然性も余り感じなくなった、どんなに強力な武器を作っても興行的には負けるか良くて引き分けと決まっているような八百長試合では、もはや興醒め・・。
メカゴジラの背鰭はきっと見た目重視
機械としての性能だけを考えたら背鰭っていらないですよね?尻尾はバランス取る為まだ必要だったとしてもあの設計で、あの用途で背鰭を持つメリットがわからない。ゴジラの白骨が出てくるシーンで背鰭も骨になってたのですが、という事はゴジラか熱線吐く前は背鰭の中の骨が光ってるって事?光る!?骨なのに?
なんてツッコミ所が色々と気になったゴジラ26作目、ミレニアムシリーズでは4作目になる本作。各所で「エヴァンゲリオン」の影響が見られます。なんともはや釈由美子の演技が微妙だったので観てて辛かったですが、口数少ないキャラクターにしたのは唯一英断と思いました。
ストーリー上仕方のない事かもしれませんが、本作ってゴジラの影が薄いんですよね。最初の登場シーンはカッコ良かっただけに残念です!
で、本作の主役のメカゴジラ。操縦席を別にしてたり、磁力のワイヤー使って飛行機で運ばれたりするアイディアは「なるほどなぁ」感心しました。
でも、あんなにミサイルとか飛び道具持ってるのに、ラストバトルでいきなり肉弾戦をやるのは間違ってないでしょうか?先ずは離れた所から攻撃すべきでは?後、ゴジラにしろメカゴジラにしろ、戦ってる時にあんなに吹っ飛ばされてると軽い感じがしてしまうんですよね。巨大怪獣なのに重厚さに欠けて見えてしまいます。
上映時間的に厳しかったのかもしれせんが、メカゴジラが大した苦労なくあまりにササッと出来上がるのも、メカゴジラに興味を持てなくなるマイナスポイントなんですよね。頑張って作り上げた感じがしない。
そういえばメカゴジラが暴走した時に目が赤くなっていましたが、あれってわざわざ赤いライトを目に組み込んで、暴走したら赤く光るよう設計したって事ですよね?って事は最初っから暴走する事ありきじゃん!
機械の龍と最強ヒロイン!
ゴジラ・シリーズ第26作(ミレニアムシリーズ第4作)。
機龍二部作第1部。
母親と映画館で観ました。良き想い出です。
2年ぶりに手塚昌明監督がカムバック。特撮愛もといゴジラ愛に溢れた新たな作品が誕生することになりました。
いちばんのトピックはなんと言ってもメカゴジラの復活。自衛隊の兵器らしく機龍と云う名称があると云うリアルさ。
初代ゴジラの骨を内部に組み込み、DNAコンピュータで演算処理し、専属部隊・機龍隊による遠隔操作で操縦する…
空想特撮の真骨頂たる設定の元に新生したメカゴジラは、デザインがべらぼうにカッコ良くて一瞬で心奪われました。
重武装型から高機動型へのスタイル・チェンジまで披露し、ゴジラとのスピーディーなバトルは手に汗握る迫力でした。
そんなメカゴジラ―機龍を操縦する家城茜も魅力的なヒロインでした。美しいだけじゃなく、強くて逞しい…
男社会な機龍隊の中で一匹狼な存在でしたが、同僚との確執を越え、ゴジラとの戦いを通して成長していく姿を釈由美子がフレッシュに演じていて、子供心に惚れ惚れしました。
機龍と心を通わせ、ゴジラに最終兵器アブソリュート・ゼロをゼロ距離発射するクライマックスに痺れました。
「とっとこハム太郎」の同時上映との兼ね合いだったのか、上映時間が短めの88分になり、物足りなさを感じました。
特撮シーンは申し分無かったですが、人間ドラマのつくりが甘く、テーマである命の重さが伝わって来なかったです…
もう少し時間があれば良かったのかもしれず、シリーズの中でも名作になり得ただろうに、大変悔やまれます…
[余談]
東宝特撮ユニバースとも言うべき設定(これまでのシリーズ作品で曖昧だった他の東宝特撮作品との関係)が正式に語られたことで、世界観がぐっと広がることになりました。
流石は特撮オタクな手塚監督作品と言ったところ…
しかしながら、まだまだ曖昧なところも…
そのユニバースに「妖星ゴラス」は含まれているのか否か?―何せ地球が移動しちゃってますからねぇ…(笑)。
ゴジラ・フェス2017のトークショーに登壇された手塚監督がそのことについて語っていた気がしますが、記憶が定かで無い…。写真を撮るのに夢中でした(笑)。
※以降の鑑賞記録
2003/07/21:DVD
2003/12/09:テレビ大阪
2018/12/31:Blu-ray(オーディオ・コメンタリー1)
2019/05/16:Blu-ray
2020/09/25:Amazon Prime Video
※修正(2020/03/20)
※リライト(2022/07/26)
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