刑務所の中 DOING TIMEのレビュー・感想・評価
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心のつぶやきが面白い
刑務所の受刑者たちの生活を描いた物語。
というのがこの映画の概要。
主人公をはじめ全主要キャストが魅力的でした。
でも物語はドキュメントのようにたんたんと進む。
「刑務所ってこんな感じなのかな」と新しい発見ができるような映画ですね。
多少は脚色されているんだろうけど「こんな感じなんだろう。」としては残ってます。
やっぱり規律を守らせることで「二度とここには来たくない」と思わせるような生活。
そういうのを狙って刑務所では規律を守らせきびきび動かせる。
そして、教官(という表現で合ってるのだろうか・・・)は必要以上に厳しい。
まぁそれも上記のような意識を持たせるためなんだろう。
でも物語の描き方としてはそうした生活を笑いあり、楽しい生活として仕上がっている。
娯楽もあり テレビもあり笑いもあり。
それにしても、一番おかしかったのは主人公の心のつぶやきでした。
結構良いタイミングでのつぶやき。
それだけを楽しむためだけに観るものありかもしれません。
そこだけを求めた結果新しい発見もできる、そんな映画ですよ。
劇場公開時鑑賞。シネクイントだったかな。
文学的な時間と空間。
山崎努・香川照之・田口トモロヲ・松重豊・村松利史が同室w
花輪和一の原作漫画は少しだけ読んでの鑑賞。
なんせ原作者の実体験が元なのでリアルもリアル。刑務所の中とはどんなものか?という興味関心に答えてくれる内容。90分台の小品だが、クスクスと笑え、淡々と味わい深く、キャスティングの妙で楽しませてくれる。
主人公山崎努がいい塩梅に枯れているので、刑務所もこういう風景に見えるのだろうな、と思った。独居房の方が充実するというタイプはそう多くはないんじゃないかな。
食事メニューに対して異様に執着してくるとか、単純作業が楽しくなってくるとか、囚われの身で規制がなければわからなかったであろう人の内側の不可思議さが描かれているのが面白い。なんでもできる環境より、縛りがある環境の方が人はクリエイティブになれるんじゃないかと、突飛だけどそんなことも考えた映画でした。
刑務所に入りたがる人増えそう
リアルだ。
ある方がレビューされているように、この作品の中に出てくる「場面」「物」「風景」はとてもよく描かれていると思います。
漫画家さんである花輪さんは「塀の中」を記憶し、出所したのちすぐに作品を書き上げたのではないでしょうか。
しかも非常に「コミカル」に。
これはもし被害者が鑑賞したら憤りを感じるかもしれません。
こんなに楽しい世界で生活しているのかと。。
この映画を否定するわけではないのですが、花輪さんがあえて描写しなかった「塀の中」は例えばこんなことでしょうか。
室内なのに凍傷、陰湿ないじめ、殴る蹴るの喧嘩、トイレに行かせてくれなくて〇〇〇〇、病気なのに病院に〇〇〇〇もらえないこと、反社会組織の方々と同じ部屋での生活。
この作品はあえてコミカルに描かれています。
塀の中に入ったことのない人が観た場合には「楽しそう」と思われるかもしれませんが、元受刑者の私が観た場合は「二度と入りたくない」と涙するくらいです。
小さな喜び、小さな幸せ。
犯罪者がこんなに幸せでいいはずがない。知らない世界。
フィクションみたいな作り方
ジワーッとくる
山崎努さん演じるハナワのナレーションを聞きながら刑務所内の出来事をのほほんと見ていく物語。
時系列などはあまり気にせずとも、出来事ごとに話が進んで行くので、見る側としても楽に楽しめる作品。
脇役もかなり豪華で、ほんの数風しか出てこないのに有名どころばかり!!
特に窪塚洋介さんは凄いインパクトでした。
個人的に気になったのは、前半の挿入歌で使われていたマーラーの交響曲第5番アダージョ。
とても有名な音楽ですが、まさかあの場面で、あの映像の後ろで流れてくるとは..と驚きでした。
そしてラストシーンのタンポポ。
良い意味で雑草のようにどこにでも咲くことのできるタンポポ、その力強さを見せたかったのでしょうか。
罪、刑務所、更生..タンポポの花に全部が包みこまれた気がしました。
また深夜に一人でほわぁーっと見たい。
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