劇場公開日 2002年10月12日

「ミステリー映画の隠れた佳作! 曲者揃いのキャスティング、良いね👍」木曜組曲 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ミステリー映画の隠れた佳作! 曲者揃いのキャスティング、良いね👍

2020年12月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

興奮

謎の死を遂げた大物女流作家。その事件から4年後、現場に居合わせた5人の女性たちが、それぞれの秘密を打ち明けることで事件の真相を解き明かそうとしていく、というミステリー映画。

事件を捜査する刑事を演じるのは『ウォーターボーイズ』『ピンポン』の竹中直人。

原作は大人気作家の恩田陸。
舞台は死んだ大物作家の邸宅であり、そこから殆ど移動しない密室劇である。出演者もメインキャスト5人以外は殆ど登場しない。
非常にコスパが良い映画だなぁ、というのが第一印象。

物語の途中から始まったかのような唐突なオープニングで本作の幕は上がる。
いきなり衝撃的な展開から始まるので、否が応でも物語の世界に惹き込まれてしまう。

作家と編集者という5人の女性たち。
物語において作家や編集者は往々にして腹に一物ある人物として描かれるが、彼女たちもそれぞれ何かを隠している。
鈴木京香をはじめとした女優たちは、物語の雰囲気にあった曲者が集まったといった感じで非常に良い!
特に編集者を演じた加藤登紀子さんのミステリアスな感じと、浅丘ルリ子さんが演じた大作家の狂気性が良かった。ベテランの味ですね。

舞台を一つの邸宅に限定した密室劇。登場人物もほぼ5人のみ。彼女たちが滞在する期間も3日間と決まっており、非常にコンパクトな物語となっているが、それが映画のスケールとピタッとあっている。
この映画の内容に対しての設定としては完璧と言って良いのでは✨

殺人の話をしているのに、みんなで和気藹々と豪華な食事をしているという奇妙さ。
この明るい食事シーンが、逆に事件の裏にある込み入った人間模様を強調しているような不気味さがある。

各々の告白が数珠繋ぎになっていき、徐々に謎が解き明かされていくという緊張感。誰が犯人なのか、全く先が読めない展開。曲者揃いの登場人物と相まって、興味の持続力が半端ない!一体どうなるんだ、この物語は!!
…なんだけど、盛り上がった分オチが弱く感じてしまった。あ、そういう感じなのね。
綺麗に纏まってはいるんだけど、ガーンという衝撃は無かったかな。

あと、クライマックスがちょっとモタモタ。オープニングくらいスッパリとしたエンディングでも良かったと思う。

殆ど知名度のない映画だと思うが、思った以上の良作!
海外ほど映画に予算を掛けられない邦画ならではのこじんまり感。それが逆に良い!邦画はこういうので良いんだよ〜!😆
面白いミステリー映画を探しているのなら、まずこれを鑑賞すべし!!

たなかなかなか