千年女優のレビュー・感想・評価
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登場してくる大女優の一言に、嗚呼……
登場してくる大女優の一言に、「嗚呼、知らず知らずのうちにそうなっている人いるなぁ。男でも女でも」と思いました。
内側から自然に湧き出てくるものじゃなくて、外側から自分の存在を固めたくなる。自身を振り返ると共感する部分もありますし、気を付けないとと思いました。
一度に理解しがたい、というか理解できているのかわからない部分もありますが、良い作品だと思います。
コイスルオトメ
また必ず会おうと約束し、離れ離れになってしまった名前もわからない憧れの人を求めて女優になり、数々の作品で主役を飾った藤原千代子の半生を彼女の大ファンだという立花とカメラマンの井田とともに回想、ときにはほぼ全参加しながら綴る1人の女性の歴史。
初の今敏!オールナイトで3本!
わずか87分の作品ながらも千代子の怒涛の30年間をテンポ良くコスプレ付きで魅せる。
この魅せ方がうまい。その時代時代に千代子が演じていた役の世界に入り込み、立花の抜群の解説付きでやたらわかりやすく観れる笑。
なのでやたら臨場感がある。戦国時代の役です立花がもはやセリフ込みで参加し始めたのには笑った。
ラストのあのセリフはただの恋する私ステキ的な脳内スイーツなのかはわからんがまあみんな共感できることなんじゃないのかなとは思った笑。
良作。
みんな大好き今敏監督最高傑作
結婚したあとくらいからここまで絵書きの男に執着する主人公に違和感を覚えるんですが、ラストで全てが繋がります。
オチ一本の作品は好きではないんですが、そこに至るまでの表現技法に目を奪われ、結局全編通して釘付けになってしまいます。
やっぱり今敏監督のアニメの良さを使った、アニメにしか出来ない表現は凄いです。
前作「パーフェクトブルー」に引き続き、「アニメがあって本当に良かった」と思わせてくれました。
見たことない
こんな映画は今まで見たことなかった。
昨今はとんでも展開の映画が多く、そのうえ見てるがわに伝えようとしすぎる節が多い。
この映画のように見てるがわの想像を掻き立てられる映画をつくれるような人が増えてほしい。
アニメだからこそできる見せ方も相変わらずすごい。
千代子が顔もまともに思い出せないのに鍵の男を好きになっているってのがとても共感した。
良い終わりかた。
千年を超えた恋
最初に目に入ったのはショットとショットの繋ぎ方だった。
一般的な物語映画特にハリウッド映画はグラフィックの一致やアクションの一致でストーリーの連関性を保ったり、アクション・動きの変化で時間の経過を示したりする。スタイル映画はモンタージュシークエンスなどで早くショットを切り替えるのが普通。
しかし、この映画は、アクションの一致とグラフィックの変更という奇妙な組み合わせで時空を超えていき、人の興味をそそる。戦国、江戸、明治から月球まで千年の時空に演じきった女優を描く。今敏監督のこだわりが見られる。
内容的にはもはや現実と映画の虚構を分ける必要もなく、千代子はずっと追いかけることがわかると十分。全ては千代子自身の物語だと理解すれば十分。鍵の君を戦争と関連づけるのも一層映画を濃厚に作り上げた。反戦の意味も読み取れるのだろう。
特に、社長を妙に気にいる。カメラさんというツッコミ役もユーモアをも持ち込む。
深く考えるところ、みんな追いかけている、何かを。何かを大切にし(鍵)、何かの貴重な思い出を抱いてそれを追うための糧にしてる(出会い)。日常もその理想でいっぱい積み込まれてる(演じること)。追いかける自分も好きになる。だが、一旦心に穴が空いたら(鍵をなくす)、時間の経つにつれ、醜い自分を自覚する(年をとる)。諦めようとしたり(結婚)、日常から離れて反省したり(女優として消える)する。初心を忘れるというか、全て色が褪せる。
だが、死に近い頃、親切にしてもらうこととか(鍵が戻る)でまたその執着を思い出し、それを抱いて新たな夢に出発する。
千年女優、千年の魂、誰でも共感できる、また憧れる魂ではなかろう。
女優・藤原千代子の生き様を描いた実話のような話。 ある日、出会った...
女優・藤原千代子の生き様を描いた実話のような話。
ある日、出会った絵描き師と恋に落ちる。
そんな意中の人から鍵の君を授けられる。
千代子は想い人と出会うべく、満州へと向かうが、そこで出会う女優や俳優らに因縁、妬みをつけられる。
主演作のひとつである、七変化の映画は戦国時代や江戸時代に、中世、明治初期、宇宙舞台などと様々なパターンに転々とされ、ゲンさんとのなりすまし演技によるパフォーマンスの数々には心躍るものがあり、千年女優という物語に魅入ってしまった。
最後まで想い人を追う執念を以ってして鍵の君とともに息を引き取る
マッドマックスは素晴らしい
前回見たパプリカといい映像が凄すぎる!
千と千尋の神隠しと並んでアニメーション大賞を受賞するほどのものである。
この映画はなぜそんなに有名になってないんだろうか…
個人的には社長のキャラが好きだ!
あらゆる場面で主人公を救う所は何といっても面白い。
明快かつ難解、万華鏡の様な作品
発想が凄い。初見でこの映画の表現を理解出来る人は少ないだろう。
この映画は元女優の主人公による自らの半生の語りがメインなのだがその内容は老年の為に演じた内容とその時の自分の記憶が入り乱れて混沌とした内容となっている。過去の語り=実際にあった過去の話を表現する方法と考えやすいがこの映画は老年の混濁した記憶を混濁した内容のままに映像化しているのだ。
自分の記憶と役の記憶、曖昧だからこそ生まれる画の美しさは幻想と現実を同じ次元で描けるアニメの特権であり、実写では不可能な手法な独特の世界観を生み出している。
ラストのセリフが衝撃だと言う人も多いが、彼女の生き様を共感して観ることが出来れば自然に感じられるだろう。
女優とは何か
『パプリカ』を観て、なんだか不思議と引き寄せられるものがあり、続けてこの作品を観てみました。
演出などは、やはり今監督だなぁと感じましたけど、作画が私としては『パプリカ』の方が好みでしたかね。あとパプリカは夢だけあって、空飛ぶシーンとかの爽快感がありましたけど、こちらはそうした爽快感は少な目ですかね。
いやぁ、しかし、ラストの台詞はなかなか考えさせられますね。女優って、簡単に分かったつもりになってはいかんです。
【再視聴】
ひょんなことから、もう一度、見る機会がありました。そしたら、前と全然印象が変わってました・・・ なんていうか、すごく良かった・・・ なので、ぐーんと評価を上げさせていただきました・・・(★2→★4) 前は何を観ていたんだ、オレ・・・ と反省・・・
千代子さんを好きになれましたね。なにより横顔が好きでした。
最後の台詞には、やっぱり考えさせられちゃいましたね。女優恐るべしであります。
日本アニメ映画最高峰
これ程記憶に残るラストの台詞はありません。
出会ったのは随分昔のこと。主人公と同じように、一生好きであり続けるであろう人が教えてくれた。
記憶に残るその言葉をずっと覚えていて、何年かたった今観てもやはり素晴らしい作品でした。千年先も語り継がれていってほしい。
若くして亡くなられた監督の才能が惜しい。いつか遺作が陽の目を見ることを願ってやみません。
すごい演出で純愛を描く
総合:90点
ストーリー: 85
キャスト: 85
演出: 100
ビジュアル: 80
音楽: 90
往年の大女優の取材訪問を通して、彼女の波乱万丈の人生を振り返る。しかしその振り返り方が尋常ではない面白く独特な演出で描かれる。彼女の出演した作品や取材や回想に物語が重なって、現実と映画作品と仮想空間が次々に切り替わりながら進んでいく。それを描く絵も時には昔風の映画のようだったり版画風だったりとひねりを入れ、次に何が出るのだろうかと期待させるし、戦国時代・江戸時代・近代にと作品の年代が進むのも歴史を駆け抜けるようでとても疾走感がある。
大女優として歩みながら、幼い彼女の心にともった限りない純愛を描いた物語も印象的だった。人生思うままにならないが、それでも彼女は自分が信じて追いかけるものをもっていた。その結末が幸か不幸かわからないが、儚さに美しさがともることもある。また映像に合わせた音楽が良い出来で雰囲気にあっているし、映画の最後に流れる歌「ロタティオン (LOTUS-2)」もまたよかった。
この演出のやり方には製作者の素晴らしい才能を見て取れた。監督の他の作品も是非見てみたい。そう思って調べてみたら、なんとこの監督、2010年に46歳の若さで死んでしまったらしく、これほどの才能の喪失が実に惜しまれる。
ウイキペディアによると、アメリカのアカデミー長編アニメ賞の候補作品にもなったが、結局ノミネートされなかったということだ。この作品に気付いていながらノミネートにすら選ばないなんて、見る目がないんじゃないかと思った。
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