「おもちゃ箱ひっくり返す」千年女優 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
おもちゃ箱ひっくり返す
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なんていう稚拙な喩えでは申し訳ないのだが、引き続き今敏監督作品を連観である。今作は打って変わって脳内冒険活劇ってイメージか。多分、大スター『原節子』をイメージした主人公の人生を演じてきた芝居とシンクロするように、めまぐるしい場面展開の末、主人公がその生涯を閉じるという粗筋だ。
場面展開の妙や、ストーリーの楽しさは理解出来るのだが、ではそれ程まで仰々しい必然性があるのかといえば、あまりそれを感じられない。多分、戦前戦後の日本の歴史を紐解きながら、役者、それ以前の『女性』というものの人権をバックボーンに、一つの恋を貫いた恋愛劇なのだろうが、実はあまりワクワク感が得られない。主人公がハシャギ回るほど客観してる自分が置いていかれてしまっている気分である。それは、それラストの台詞、『だって、私、あの人を追いかけている私が好きなんだもの』の一言に尽きるのではないだろうか。結局、自分の人生は自分のモノであり、他人が介入できる余地はないのだから。
そんな訳で、暫く、今監督作品は休みにしよう。
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