冷静と情熱のあいだのレビュー・感想・評価
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スマホのない時代だからこその。見て聴いて美しい映画
竹野内豊とケリー・チャンがいいです。ものすごくいいです。
そして大げさなぐらい音楽が響いてきます。
それと対照的な篠原涼子とユースケの演技がなんだかなぁ。芽衣ちゃん、もう少しセカンド彼女でもかわいそうと思える位の可愛げが欲しかった。モーヴは抑えた演技で印象的だったのに。
最後はなんとなく見えちゃったけど、よかったね。
キャスティングのミスマッチが残念…
子供が母親にだけ語る夢物語のような恋愛劇。
素人でもわかるレベルの伏線の張り方に加え、次のセリフが思わず口をついて出るほど単純な展開であるにもかかわらず、おそらく作家の強烈な妄想レベルの舞台設定において、勢いだけで物語を引っ張る図太さがむしろ爽快に思えてくるほど、この物語の世界観は笑ってしまう程の夢物語なのであるが、その単純さにすっかり浸らせといてのひねりが加えられてくるので徐々にその世界から戻れなくなる自分を感じてしまう自分がいるという不思議なラビリンス。徹底した辻仁成の妄想日記=私小説の形式で、俯瞰した視線を全く持たずこれほどまでに照れを度外視した物語の作り手を僕は他に知らない。そしていつの間にか観客は(読み手は)辻仁成のご意向と顔色を窺いながら物語の進行を読み解いているの気付かされハッとしてしまう第二の迷宮。この結末であってますか?きっとこれでしょ?結末は?っていつの間にかど素人の様な結末を勝手に自分で作り上げて、作り手に(辻仁成に?それとも監督の中江功に?)知らず知らずに問い質しながら物語を一緒になって読み解き始めてしまうこの強烈なる閉鎖空間にわれわれはいつの間にかすっかり毒され始めていくのである。もはやこの作品が傑作なのか駄作なのかすら判断のつかぬような設定の渦巻きに飲み込まれてしまってしまうのである。この作品、唯一客観的に褒めれる点はセリフを多言語でか合わしている点だ。これがこの妙な非現実空間にリアリティを与えてしまうので厄介だともいえる。いつの間にか僕らはヒロインと一緒になって「順正」という主人公の名前を「仁成」と呼び始め聞き間違いながら心の奥底に眠る誰にでも潜む主人公願望が呼び覚まされて、徹底した純愛物語にドン引きしながらも徐々に怖いもの見たさで、気が付いた時にはすっかり辻仁成に取りつかれて、最後はJR東海のプラットホームに立って、男はヒロインを向かい入れ、女は人ごみの中主人公だけを発見するに至るのである。
辻仁成さんの美しい世界観
強く惹かれ合うとうまくいかない
フィレンツェから東京、そしてミラノでの2人の恋。
感動の最高傑作
会えない時間が愛育てる
白インゲン抜き、白インゲンパスタ
ソラミミストの安斎さんがレコ屋の主人役スゲー合っていた。主演二人と篠原涼子、ユースケ以外は殆ど出番がなくて、ちょっとだけのシーンに良い役者さん沢山使ってる。
いつも同じ箇所を弾き間違える裏庭のチェロの学生。そっと手をつなぎ、聴いてる。ズボンからシャツがはみ出してるのを、わざわざ写しだしてるのがラストへの引き込みになっている。
ストーリー全く記憶に無かったが、コレ読んだわということを覚えていて、なつかしくなった。
全体を通してパーフェクト
映画マニア過去に600本以上の映画を観てきました。
その中でも1位、2位を争う最高に大好きな作品。大好きなイタリアを舞台に、フィレンツェとミラノの美しい街並みと美しい音楽。
竹野内豊の美しい声。ケリーチャンのなんとも言えない情熱を冷静で隠したような演技。
もういう事ないパーフェクト。
ラストシーンなんて完璧すぎ。
こんなにパーフェクトな映画は他にはありません。映画の後小説を読んだのですが、
映画と小説、どちらも引けを取らない仕上がり。どちらもパーフェクト。
大好きなフィレンツェとミラノの映画
今でも忘れられない作品
もともと映画の原作である辻仁成さんと江國香織さんがそれぞれにBluで順正、Rossoであおいの物語を書かれた小説の大ファンでした。
小説を映像にすると、どこか奥行きや物語の深さにかけたりしがちなのは否めない作品も多い中、この映画版は本当に小説の世界観がそのまま投影されていて大好きでした。
竹野内豊さん演じる順正とケリー・チャン演じるあおいはまさに主人公のイメージ通り。順正はみんなに愛されるかわいさのある好青年キャラクターそのものでしたし、ケリー・チャンの何を想っているか読み取りづらいクールビュ−ティで口数少ない感じも良かったです。メミは小説からはなんとなく今で言えば長谷川潤さんのような外見をイメージしていましたが、篠原涼子さんのわがままで順正の過去に嫉妬する女性役も良かったです。
なにより、東京は梅が丘のアトリエ兼アパート、フィレンツェの景色が本当に素敵でした。エンヤのWild Childも大好きでした。
なぜ、いま、ふとこの映画のこと思い出したんだろう。また観たくなりました。DVDも小説も何度も繰り返し観ているのに。
そして、またフィレンツェに行きたくなりました。大好きな街。Florenceという英語の呼び方よりFirenzeというイタリア語の呼び名がふさわしい街。街には訪れたのに、まだ昇ったことのないあのDuomoのてっぺんからの景色をこの目で見てみたい。
あの時の私には、主人公あおいの冷静さがもどかしかったし、自分ならああいう風に振る舞えないと感じていました。
でも、15年経った今は、その静かな強さ、普段は抑えているけれど、内面に抱える静かな湖のような透明で深い愛情が理解できるように。今の私がこの映画を観たらどんな風に感情が動くか、気になります。
上映された当時、同世代もしくは少し上の世代の女性たちに圧倒的に支持...
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