「哀しみと愛の果てに」バンパイアハンターD(2001) 赤の他人さんの映画レビュー(感想・評価)
哀しみと愛の果てに
美麗な画面と超大なスケール感で凄かったな。
原作は未読なので、解釈違いなどありましたら悪しからず……
冒頭でD進む荒野に横たわってたのは、星を渡る船の残骸かな?
エンジンノズルのようなものが付いた朽ち果てた物体が見えた。そのあとにはパラボラアンテナのような物もあったし、プロローグでかつて文明が栄えて云々、貴族(バンパイア)が云々の説明と合致する世界観がキチンと画で語られているのがとても良かった。
馬の鞍を後生大事に運んでいたのは、あれが馬を従属させるか妖馬に変化させる装置だからなんだろうか?
爺さんから買った馬に鞍をつけた後は、馬から角が生えていたようにも見えたし
爺さんはちょっと喋りすぎかなぁという印象。
昔話をして「あの時の礼じゃよ」くらいで良かった気がする。
Dの「私はダンピールだ。人としては生きられん」ってセリフが切なかった。
それでもと、人として生きてみたいと願ったことはあるんだろうなと感じさせられる。
陽光の元に出てきた貴族を嘲笑う兄弟の図は、どちらか悪か分からないような、善悪が反転するようなシーンやったな
どちらにも正義があるように思う。
「切れぬはずのものを切るとは憐れな」ってセリフが良かったな。
本来なら本人にとって大切であるが故に切ることが出来ない幻覚を見せているはずやのに、それを切ることが出来るって事は、すでに何かを諦めている(もしくは捨てた)んやろなあ
城から星航る船が飛び立つシーンは圧巻だった
ロケットもお城っぽい意匠やし、SFファンタジーここに極まれりって感じ。
あの辺の世界観はFF6、7に通じる部分がありそうやな
ラストのシーンも良かった
一瞬、娘の葬儀シーンで任務完了。Dの旅はまだ続く。みたいな締めかと思ったらレイラおばあちゃんの埋葬シーンなのね。
Dもそっと見守って去っていくし、素敵な約束の果たし方やわ
昔助けた幼子は爺さんになって登場するし、年頃の娘は婆さんになって亡くなっていて孫まで居るし、悠久の時を感じる演出だった