バンパイアハンターD(2001)のレビュー・感想・評価
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川尻善昭監督の傑作
菊地秀行の小説の魅力を確実に映像化してみせた手腕に脱帽。天野喜孝のキャラクターデザインを本当にしっかりと動かしていて感動する。こんなに耽美な雰囲気の日本製アニメはなかなかお目にかかれない。アメリカで先行公開されて作品で、全編台詞が英語なのも新鮮だ。
話の展開も長編映画にちょうどよいサイズになっている。貴族の女性を負ってバンパイアハンターD以外にマーカス兄妹が追いかけ、マイエル=リンクを追いかけながら対決してゆく。
こういう雰囲気のあるアニメ作品が2000年代にはまだ残っていた。OVAなどにも野心的、実験的な作品も多くあり、今振り返ると商業ベースでこれだけ多彩な作品を残していたのかと驚くことがあるが、本作もそんな驚きを与えてくれる作品の1つだ。川尻善昭監督は、最近監督作を作っていないのだが、また一本やっていただけないだろうか。『鬼滅の刃』10話の絵コンテに名前を見つけた時には嬉しかった。
今見ても「頭がおかしい」と思わせるレベルの神作画
永遠を生きねばならない悲哀
いや~これはもう唯一無二・・・
意外とSF作品。
ロストテクノロジー、ロストクオリティ
タイトルの通り、素晴らしい作品ですが、もう現代では作れなくなっている名作ですね
原作は2−3冊しか読んでおらず、しかもほとんど記憶にない状態で鑑賞
いやあ素晴らしい世界観を映像化していますね
D、天野喜孝デザインがぬるぬる動いてくれますしね
昔懐かしい80年代OVAの頃を思い出すキャラデザ、当時は大人向けのアニメというと
こんな雰囲気でしたねFFSとか、アルスラーン戦記とかもありましたね
対バンパイア用の重戦車、異能者の戦闘集団のプロっぽさ、貴族の休憩所、砂マンタの群、
かつての高速道路が砂漠に突き立っているビジュアル、異世界の異形者集団バルバロイのビジュアル
街での馬屋の主人エピソードもとても良い展開ですね、ヴァンピールが長寿である事からこそ生まれるドラマ
Dの背負うもの、その哀しみ
ラストは追っていたバンパイアと依頼された令嬢の熱愛が、D自身の父親と母親に重なるシナリオ
そしてあの時代、オネアミスだろうがなんだろうが、ロケットを飛ばすこと自体がSFであり
設定上の、演出上の大きな意義となっているのですね
この時代に改めて見ることにとても意味を感じました
新たな視点ですね
ラストシーンもグッとくる、ヴァンピールとしての物語の締め括りにとても良いところで終わります
ただ、エンドロールのタイアップ曲はいただけませんね
物語の余韻を吹き飛ばして、う〜んという気持ちにさせてくれます
これ、アーティストにとってもマイナスイメージで、商業主義の良くないところですよね
よほど大口のスポンサーだったのか、仕方ないけれどね
現代の、CGアニメにはない、手書き故の良さと、映像美、劇判音楽も含め、トータルで素晴らしいクオリティです
好き嫌いはあるかもしれませんが、一度観て頂きたい作品です
吸血鬼ハンターDの世界観を完全に再現している
おぞましさと厳かさが共存する貴族の世界が見事に表現されている。
吸血鬼と人間、禁断の愛の逃避行と言ってしまえば簡単だが、そこに絡み合うDとマーカス兄弟、そしてバルバロイの護衛達の物語が面白すぎて、昔かじりつくように読んだ記憶がある。でも20年以上前だから、細かいところはさすがに忘れてしまっていて…もう一度読み返したい。
原作はもっと性的な意味でドロドロした部分があったけれど、そういう箇所は全て潔くカット。あと、シャーロットの死に方が原作と違うので違和感はあったけれど、映画を通してみれば最高の出来栄えに思う(私は原作のラストの方が好きだけど)
惜しむらくは、Dが塩沢兼人さんではないことか…。言っても仕方ないこととは分かっているけれど、何十年経ってもあの声が忘れられない。
あっちのDは菊地秀行さんのお気に召さなかったみたいだけど、私は大好き。ぜひ映画館で上映してほしい。
哀しみと愛の果てに
美麗な画面と超大なスケール感で凄かったな。
原作は未読なので、解釈違いなどありましたら悪しからず……
冒頭でD進む荒野に横たわってたのは、星を渡る船の残骸かな?
エンジンノズルのようなものが付いた朽ち果てた物体が見えた。そのあとにはパラボラアンテナのような物もあったし、プロローグでかつて文明が栄えて云々、貴族(バンパイア)が云々の説明と合致する世界観がキチンと画で語られているのがとても良かった。
馬の鞍を後生大事に運んでいたのは、あれが馬を従属させるか妖馬に変化させる装置だからなんだろうか?
爺さんから買った馬に鞍をつけた後は、馬から角が生えていたようにも見えたし
爺さんはちょっと喋りすぎかなぁという印象。
昔話をして「あの時の礼じゃよ」くらいで良かった気がする。
Dの「私はダンピールだ。人としては生きられん」ってセリフが切なかった。
それでもと、人として生きてみたいと願ったことはあるんだろうなと感じさせられる。
陽光の元に出てきた貴族を嘲笑う兄弟の図は、どちらか悪か分からないような、善悪が反転するようなシーンやったな
どちらにも正義があるように思う。
「切れぬはずのものを切るとは憐れな」ってセリフが良かったな。
本来なら本人にとって大切であるが故に切ることが出来ない幻覚を見せているはずやのに、それを切ることが出来るって事は、すでに何かを諦めている(もしくは捨てた)んやろなあ
城から星航る船が飛び立つシーンは圧巻だった
ロケットもお城っぽい意匠やし、SFファンタジーここに極まれりって感じ。
あの辺の世界観はFF6、7に通じる部分がありそうやな
ラストのシーンも良かった
一瞬、娘の葬儀シーンで任務完了。Dの旅はまだ続く。みたいな締めかと思ったらレイラおばあちゃんの埋葬シーンなのね。
Dもそっと見守って去っていくし、素敵な約束の果たし方やわ
昔助けた幼子は爺さんになって登場するし、年頃の娘は婆さんになって亡くなっていて孫まで居るし、悠久の時を感じる演出だった
色褪せない素晴らしさ
初上映が24年前かぁ。ほんのちょっと前のような感覚なのに、すごい勢いで年月が過ぎ去っていたのですね。ただの人間である私がそう感じるのですから、永遠の存在であるDや貴族たちにとっては、本当に人の一生など瞬く間に過ぎ去っていくのでしょう。
今回リバイバルで24年ぶりに映画館で再度鑑賞したわけですが、思い出の印象から大きく変わることもなく「ああ、やっぱり覚えていたとおりだ。これははまるわ」と一人納得。色々と詰め込んだアクション多めの物語なので、24年分歳を取った私には少々物足りなく感じるところも若干ありはしましたが、それでも最初から最後までぐっと引き込まれました。
24年経っても色褪せない映像と音響と音楽で織りなされる、美しく儚いゴシックホラーの世界。天野喜孝のキャラクターデザインだと分かるものの、そのままではなく、ありきたりなアニメのキャラクターデザインでもなく、いつまでも通用する完成された1つの作品だと思います。
最初に見たからなのか、声に先入観がないからなのか、個人的には英語版の声優さんたちの方がしっくりします。BDを予約したので、そちらを観るのも楽しみです。
映画館でのリバイバル、そしてBD販売のご決断、ありがとうございました。
そして最後に言わせてください。やっぱりマイエルかっこいいぞぉお!!!
(今も昔もマイエル派!)
素晴らしい
世界観、D、演出全てが格好いい
最高です
原作知らないし、
難しいことはわかりませんが、
とても良かったぁ!
映像も音楽も時は経っているのに、古さを感じなくて、重厚感と甘美な世界観、不協和音のコーラス?ダークさが表現されて、古き良きバンパイアらしい作品になってる。
脳筋キャラでさえ色気を感じさせるスタイリッシュな人物像。
【D】
美しい。影がありながら光を求めるような、黒だけど輝いて見える姿。そして田中秀幸さんの艶のある落ち着いたお声。素敵です!
【マイエルリンク】
こちらも美しい。上品な悪!全盛期のデビッド・ボウイのようなグラマラスな存在感!山寺宏一さんのこんなダークなお声も良いですね。
ダークファンタジーな世界にどっぷり浸らせてくれる良い作品でした!
一本丸々芸術作品
ゴシックホラーの素晴らしいところが詰め込まれた作品。懐かしさもありつつ、色褪せない世界観と美しさに大きなスクリーンで観に来てよかったと思った。奥行きのある映像美はまるで芸術のようで、またその世界観を引き立てる壮大な音楽も印象的でした。
キャラの口パクと吹き替えのタイミングにほんのズレがあったのは気になったけど、鬼籍に入られた方の声がまた聞けたのは嬉しかったし、今もご活躍中の声優さんはお変わりなくて凄いと思った。私は関俊彦さんが好きなので、か弱い青年役に新鮮さを感じました。
バンパイアハンターの『D』は紳士というか、まるで武士のようですね。無口でクールで約束を忘れない、漆黒のダンピールかっこよかった。どこか切なさとか哀愁があって、キャラクターとしても好きです。右手に宿るモノとの会話もユニークで、ダークな雰囲気一本になるところを緩和してくれました。もっとモンスターとか人間側も魅力的だったらよかったかもしれない。
何年か前に菊地秀行さんの原作シリーズをずっと読んでいたけど途中で止まってしまっていたので、また読みたくなりました。再上映ありがとうございました。
Dなみに未来にも残って欲しい映画
はるか昔に一回観ているはずなんだが全然覚えてなかった。
これは本当に優れたアニメーション作品。
2025年に限定上映されることになり、もうすぐ閉館する有楽町東映で観た。
客層は男女比6:4くらい。平均年齢は高め。
しかしこれだけ優れた作品なのにおそらく日本人にもほとんど知られてないのは勿体無いよな。
話としてはバンパイアがいてバンパイアハンターの男が戦うよ、というタイトル通りのあれなんだが。
まずよく動く。そして初見でも世界観が何となく分かりやすい。
これだけこだわりの美術やキャラデザインを見せつけながら、これだけ分かりやすいのはそれだけですごい。世界観や絵をしっかり作りつつでも分かりやすく両立させるのってすごく難しいから。
天野喜孝の絵がよく動く!というイメージだったのはその通り。
Dの手に取り憑いてる吸い込みじいさんも一輪車じいさんも覚えてなかった。
ボウガンアニキも幽体離脱アニキもなんか刃的なの投げるアニキもでかいアニキも全く覚えていなかった。もちろん金髪ショートヒロインも。
序盤からまあよく動く。
というかそもそも未来世界の話だったんだというところから観て思い出したくらい。銃の未来感。アニキ達が乗る装甲車のSF感。Dに依頼をするご主人の車椅子も近未来仕様。ゴシックホラーかつSFなところが今作の魅力の一つなんだ。
敵は影移動野郎、緑液体ネキ、腹狼マンとこれまた色々いてそれぞれのアクションを披露してくれる。緑姉さんの攻撃の手数の多さはそれだけですごい説得力よ。
馬がやられてDが村で馬を買おうとするんだが村の奴らに出てけ!言われて。しかし馬を売るじいさんが昔助けてもらった縁でDをかばうのよ。でっかい銃で村の奴らを脅して。これくらいでかい銃を持つ絵面は覚えていてもいいはずだが全く思い出せなかった。
終盤に出てくるあのでけえ城のデザインも立派。悪魔城ドラキュラ的な。吸血鬼の女王っぽいデザインの女王が住んでる点含め。
あの女王が終盤で復活しかけて血の色肉体が出てくるアニメーションのおぞましさ。
ラストのロケットが飛んでいく場面で金髪ショートネキが飛べ!飛べ!と言う展開。
そしてラストシークエンス。はるかに時が経ち金髪ショートネキが死んだ葬式に来るD、しかし意外と親族がいてそっくりな孫に「来ないの?」言われても拒否して去る「永遠に生きるキャラの悲哀」。ここで手のじいさんに「おセンチ」と言われてしまうそのコンビネーション。このラストのあたりは何とく覚えている。そうそうこんな感じと。
全て無駄がなく美しい。と言いたくなるこだわりぶり。
感想で思わず「美しい」という単語が出るくらい作り手の思いは伝わってくる。
こういう志が高いのはもっと知名度上がっていいよな。
エンディングの曲がちょっと軽いよな、合ってるのか?と当時も思ったことを思い出した。
でもこれだけ重厚な作品というのはどうしても敷居が高いイメージがあるから、これくらいポップな曲で何とか一般層にも浸透させたかったのかもしれない。
これ「一見敷居が高そうに見えるけれど全然そんなことはなく前情報なくても楽しめる」映画なんだけれど。よくまとまっているがゆえに消化しやすくて忘れてしまうのかもしれない。日本はアニメの名作が多いから贅沢な悩みだよな。
でも今作はずっと未来にも残って欲しいよな。それこそDがずっと生きるように。日本のアニメの歴史を彩ったひとつとして。
昔だからできた傑作
永遠の傑作
過去アニメ化されたスタジオライブ版も今回上映されたマッドハウス版もお話の基本フォーマットはほぼ同じと受取りましたが、むしろこういう原作世界観を端的に表している鉄板シナリオをそのままに、担当クリエイターの個性や進化した映像表現、そして演じるその時代のベスト声優さんらの招聘による素晴らしい演技でブラッシュアップされた本作は、何度観ていても毎度引き込まれる傑作と評価します。
定番ミュージカル同様、同じシナリオを時代時代のクリエイターが手がける…みたいなカタチで後世に残せないものかと改めて思いますが、今作公開からすでに20年以上経つと気づき愕然となりました💦
いつになるか分かりませんが、もしまた新たなリメイクが行われるとなった暁には今回星5つけなかった理由、スタジオライブ版を越えることのできなかったと感じた音楽面、つまりTMのYour songを凌ぐ名曲を感傷溢れるエピローグに充ててほしいと期待しています☺️
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