「それでも【冤罪】は産み落とされる」日本の黒い夏 冤罪 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも【冤罪】は産み落とされる
クリックして本文を読む
前日に‘あの時間帯’の電車に乗り合わせて居た身としては、その発端となった松本サリン事件の真相と、当時のマスコミ各社の報道の在り方、“何故冤罪は起こるのか?”は実に重要です。
警察は検挙率を上げる為の《体裁第一》であり、テレビは《視聴率》とゆう怪物が、新聞は《部数を増やす為》にすぎない。そこに“思い込み”と“決めつけ”が絡み合い【冤罪】は産み落とされる。
映画はその事に疑問を持った高校生が、テレビ局の報道関係者に会って当時を検証するデイスカッションドラマになっています。
よく見ると主な参加者はテレビ側の4名に、高校生は女子高生の1名(男子はほとんど発言しない)それに警察関係者1名と、モデルとなった河野義行さん役の寺尾聡の僅か7名とも言える。
熊井啓監督自ら書いた脚本は、冤罪がいかにして作り上げられて行くのかを実に丁寧に描いてはいるのですが、今時の高校生が発する様な言葉や仕草等からは程遠く、主要な出演者達の関係からは「一般の人が果たしてそれぞれの関係から、そんな言葉遣いや態度を示すのだろうか?」との疑問が終始気にはなります。
但しそれに疑問を持たなければ問題意識の高い作品ですので、【冤罪】を考えるのに良い機会の作品かと思います。
コメントする