映画ドラえもん のび太と翼の勇者たちのレビュー・感想・評価
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大山ドラの中で唯一の大失敗作
当時小学生な私でしたが、唯一ドラえもん映画の中で嫌いな作品でした。
わさドラが出始めた今、わさドラの映画含めても最も酷い作品と認識しています。
理由は1点。この作品のドラえもん達は悪の味方をしてしまっているということです。
この作品の最大の被害者はフェニキアなんですね。
フェニキアは一匹でしたたかに過ごしている時、いきなり鳥野博士が鳥たちを連れてやってきて、鳥達を進化させてフェニキアの居場所を奪ったのです。
フェニキアは火を吹き、乱暴者だったのかもしれませんが、もしかしたら自分の居場所を取り戻したくて暴れていただけなのではないでしょうか。
そして鳥野博士が危険と理由こじつけて雪山に封印させてしまいます。
ようやく復活したと思ったら勝手にドラ達に進化させれてショック砲撃たれて、挙句の果てには空気の無い宇宙空間にポイされます。
やってることえぐ過ぎませんかね。
のび太君が優しさから「ここはもともとフェニキアの居場所だった」と気づいて、侵略したのは自分達であるとドラを説得して新しい解決方法を見いだせたのであれば素晴らしい作品だったとは思うのですが、製作者側も意図はしていなかったでしょうが結果的に遠回しな侵略映画となってしまったことは至極残念です。
エンディングのLove you closeは結構好きな曲なので、1点だけあげておきます。
私には分かっていたよ
久しぶりに出来杉も出る映画22作目。
前作、前々作と同様、声優陣はかなり豪華でゲストのチョイ役ながら山口勝平さんや後にのび太のパパ役になる松本保典さんなんかも登場、特別出演で主題歌を歌う知念里奈さん、森繁久彌さんも出てたりする。
ゲストキャラのグースケのキャラは悪くはないものの良くありがちなタイプで意外性がない、終盤でよく分からん存在の英雄イカロスの息子っぽさが示唆されるものの映画版では言及されなかったり、元凶ではあったものの同情出来るタイプの悪役であるジーグリードも改心するしないに関わらずなんの説明もなくフェードアウトしたりと全体的に描写にモヤモヤする部分が多い。
なんというか「アニマル惑星」亜種みたいな印象の作品でこれまた印象に残りにくい作品。
難点は分かりにくさとイカロスレース
全体的なストーリー構成は好きなのだけど、調べてみたら原作を端折っていて分かりにくくなっている部分があったのと、イカロスレースの顛末が酷すぎたので☆3。
まず、映画だと勇者イカロスがグースケの父親だということが分かりにくくなっている。
原作コミックだと、グースケが落下した嵐の日にイカロスと連れ添っていた女性が夫婦であることが分かるセリフが入っていたり、イカロスがグースケは成長した自分の子だとハッキリ気づくシーンが入っていたり、亡き妻に息子が立派に育っていたことを報告するシーンがあるみたいだけど、映画版ではすべて改変&カットされている。
自分はウェブで検索するまでイカロスがグースケの実父だという設定に気づかなかった。グースケが籠から落下してしまったあの嵐の日に、グースケの母を家まで護衛してただけの存在だと思っていた。
そして、問題のイカロスレース……
過去のトラウマから自分の翼で飛べないグースケが補助器具を使ってレースに出るも完走後に優勝を取り消され、今後は自分の翼でしか参加を認めないという宣言までされるが、その後とあるキッカケで自分の翼で飛べるようになったことで周囲の者に祝福されて、次の年には自分の翼でレースに出場できたことがハッピーエンドとして描かれているけれど……
何らかの特別な手続きなどなしに補助器具でレース参加が認められたのを見るに、補助器具を使った飛行も己の筋力とスキルで飛ぶこと=ズルではないと正式に認められていたことが伺える。
それなのに完走後に突然優勝を取り消され、そもそも優勝を取り消したのは審査員の当てつけなのにそれも有耶無耶になったまま。
グースケ以外にも補助器具で出場してた者たちがいたけれど、その者たちは変わらず排除されたままなのに、いったいどこがハッピーエンドなのか。
レース終盤でトップに立ったグースケに対して、補助器具を使って楽するなんて卑怯だ!と口にしたツバクローが、ふと顔を上げるとグースケも汗を流しながら必死でペダルを漕いでいることに気づいて己の歪んだ認識を改めるっていうシーンがあるのに、結局上記のような展開になるならこの素晴らしいシーンが霞んでしまうじゃないか。
ナチュラルに優生思想と能力主義を是とするんじゃないよ……それも子ども向けの作品で……
そういうことに無自覚な時代だったのだろうけど、それを踏まえたとしてもこれはさすがに酷いなと思う。
世代ドンピシャなのと、イカロスのカッコ良さと素敵な主題歌のおかげで、作品自体を嫌いにならずに済んでいるところがある。
内容としてはありきたり。
ゲストの鳥人間たちも魅力は感じない。
ジャイアンの「まっかされよ~」が定着してるのに少し驚いた。
ラストの怪物をタイムマシンで放り出すのは如何なものか?
まぁドラえもん映画作品自体がのび太たちがやった結果を意図しない行動で出来ている事を考えれば、この作品はのび太たちがゲストなんだろうな。
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