ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃のレビュー・感想・評価
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リメイク版「三大怪獣」を観て
ハリウッド新作ゴジラの前に再度
キング・オブ・モンスターズを観る前に復習を兼ねて。
けっこう好きだった新山千春ちゃんの演技は置いといて、俳優陣の豪華さ、脚本の斬新さに参りました。
確か18年前に観たはずなのに、改めて観たら、こんなんだったっけ?あゝそう言えば!という感じ。モスラはともかく、キングギドラは宇宙から地球を破壊しに来た人類の敵だったのに、180度回転させて、倭の国の守護者という設定。これは、過去作の脚本を破壊したゴジラ級のパワー!さすがです。ちょと可哀想なのは、タイトルにも入れてもらえなかったバラゴンちゃん。いい所なかったね。
さて、ハリウッドゴジラには余り期待してはいないのですが、震撼させてもらいに行ってきます。ワクワク。
この国は怪獣だらけかっ!
今までのゴジラ設定を覆すくらいに画期的なストーリー。ゴジラは50年前に東京を襲ったきり現れていないというものや、ゴジラが完全悪であり、バラゴン、モスラ、キングギドラが善玉というもの。ヤマト古来の守護神である護国聖獣、漢字で書くと“婆羅護吽”、“最珠羅”、“魏怒羅”なのだ。ゴジラの存在も太平洋戦争の犠牲者たちの残留思念と位置付ける大胆な発想。じゃぁ、なんで日本を襲うのよ!?との問いにも、適当ながらも答えていた。
新潟県妙高、鹿児島県池田湖、山梨県本栖湖、小笠原諸島と、全国を巡る怪獣出現ポイントも楽しいし、暴走族やら犬を虐待する若者たちが最初の犠牲者になるなんてホラー映画のパターンもいい。人が死にすぎるという批判ポイントもあるが、これもホラー映画だと思えば許容範囲。特に篠原ともえや温水洋一のシーンが悲しいけどいい。笹野高志が運転手ってのもいい。爺さんの幽霊(天本英世)をはじめ、オカルトっぽいところもあり、不思議な石なんてのも平成ガメラを引きずっているのだろうか。
ちょっと拍子抜けするのは護国聖獣3匹がそれぞれ皆弱いところ。バラゴンはプロレス技で結構頑張っていたけど、キングギドラなんて呆気なく死んでしまうし、2度も生き返らせてもらってる。そして特殊潜航艇の魚雷の一発目がヤッチマッタ感満載。こんなところでギャグかませなくても・・・
平和憲法と防衛軍などとレクチャーする准将の宇崎竜童。しばらく自衛隊がゴジラ映画にそのまま表記されていたのに、敢えて防衛軍としたのは、50年前のゴジラを撃退したのは防衛軍の兵器ではなく、芹沢博士の兵器だったということをずっと隠蔽してきたからだろう。軍の不要論にも繋がるために隠蔽したおかげで、ゴジラが現れたことさえ忘れられてしまった世の中。そんな防衛軍の上部組織が防衛“省”となってたのは先見性があったということかもしれません。
使われたきのこ雲の映像といい、平和や反核のメッセージが込められた作品だと思う。ただ、音楽が酷すぎる点、主役の二人の演技がダメすぎる点が残念。また、前田愛、亜季の姉妹がそのまま小美人になるかと思ったのに、なんでもなかったところが謎。
ゴジラの足元では人が死んでることを忘れないための映画
私にとってのゴジラは平成ゴジラでした。もちろんビデオを通して過去作も見てはいるんだけど、デストロイアで一旦終わったという気持ちがあり、全然本作は見てませんでした。終わったゴジラを今更リブートしても、という気持ちだったし、子供向け感がなんか物足りなかったです。
ただ、今見てみて、この映画を見てなかったのはもったいなかったなと思いました。
シンゴジラを見た後なら、そうだよねゴジラって凶悪だよねって正直なるんだけど、平成ゴジラシリーズ見た後であれば、ゴジラ怖っ、ってなったんだろうな。
それくらい人間を殺しまくる。もちろん残虐シーンなんかはないんだけど、出てくる人出てくる人、明らかに死んでるってのが、平成ゴジラにはなかったところでした。監督が平成ガメラの人なので、その辺りは同じですね。
ゴジラが暴れる足元では確実に人は死んでるんだな、という当たり前のことを思い出させてくれる描き方でした。
純粋に映画としては、ドラマ部分がちょっと物足りないし、全体的に低予算感が凄いんだけど、新たな設定のゴジラとしての面白さはあった。
ゴジラファンは見たほうが良いですね。
金子修介の怪獣論
闘う怪獣特撮映画の真骨頂。
無敵
金子修介×ゴジラ=怪獣映画の醍醐味たっぷり
シリーズ25作目。
本作の最大の見所は、金子修介監督がゴジラを撮る!に尽きるだろう。
平成ガメラシリーズで怪獣映画に新風を吹き込んだ当人が、どんなゴジラ映画を作り上げるか、怪獣映画ファンは非常にワクワクして公開を待った。
前作前々作同様、設定もストーリーもリセット。
金子監督が創り上げたのは、全くの新しさを感じつつも、初代を彷彿とさせるゴジラ像だった。
今回のゴジラは、戦争で散った者たちの無念の集合体。
平和ボケした現代日本を襲撃する。
あくまでも天本英世演じる謎の老人の言い分なのだが、これがゴジラに神秘性をもたらし、かつ反戦・反核の象徴として誕生した初代を思い出させる。
ゴジラは無敵の怪獣でもあるのだが、背景に暗い影を落とす事によって、その存在意義が際立つのだ。
造形も新しく変わった。
何と言っても一番の特徴は、白目。そして真っ黒な巨体。
得体の知れない恐ろしさを感じさせ、荒々しい凶暴さだけを強調した前作前々作までのゴジラとは訳が違う。
そんなゴジラに対するは、モスラ、キングギドラ、バラゴン。
日本の聖獣として登場する。
モスラとキングギドラが日本の聖獣!?…という違和感は感じるが、バラゴンの復活が嬉しい。
ここら辺が、怪獣少年だった金子監督ならではのナイスなチョイス。
当初ゴジラと対するはアンギラス、バラン、バラゴンで、こっちで見たかった!
人間側のドラマは、新山千春と宇崎竜童演じる父娘が、それぞれの形でゴジラと関わり戦う姿をメインに、平成ガメラシリーズ同様、神話を結び付け、映画に奥行きを出させている。
オキシジェン・デストロイヤーが歴史の闇に葬られた、という設定もリアリティあってイイ。
久々に恐ろしさと存在感を発揮した金子ゴジラ。
怪獣映画の醍醐味がたっぷり味わえ、文句なし。
ハム太郎と同時上映でなければ…。
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