「ゴジラ劇団の配役」ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ゴジラ劇団の配役

2019年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

総合50点 ( ストーリー:40点|キャスト:55点|演出:60点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )

 ゴジラ出現前からの動きからゴジラの戦いまでを見守ることになる重要な立ち回りをする由里役の新山千春は、役柄として特に面白くもなく演技もとりわけ良い訳でもなく物足りない。ゴジラは凶暴で強くてまずまずだが、他の怪獣はもっと頑張って欲しかった。他の怪獣との戦いの場面も悪いわけではないが、今回のゴジラは女子供だろうが知ったことじゃないとばかり容赦なく踏み潰す場面が描かれるのが良かった。怪獣が暴れれば町が破壊されるだけでなく、人命が失われるのだということを見せてくれる。
 過去に観たいくつかの他のゴジラ作品と異なり、今回のゴジラは大人も対象になっているように思える。それでもまだまだ水準が高いとは言えない。怪獣たちもぬいぐるみ感が強くて映像的にも一流とは言えない。脚本も粗い。21世紀の作品としてはまだまだ不満が残った。

 それほどたくさんのゴジラ映画を観たわけではないが、1つ気が付いたことがある。ゴジラは作品によって人間の敵だったり時には味方だったりする。その他の怪獣もそれは同様のようで、設定に一貫性がない。1991年の『ゴジラVSキングギドラ』では、キングギドラは未来から来た人造ペットが放射能で変化してものだったはずだが、ここでは日本古来の神獣だそうだ。
 どうも映画界にはゴジラ劇団とでも言うべきものがあって、所属する怪獣が作品によって自由に配役されてその脚本の設定の役柄を演じることになっているようだ。だが作品ごとにこうも配役が変わると違和感があってどう怪獣を認識していいものやら。作品ごとに怪獣の配役を変えるのではなく、役柄ごとに専用の怪獣を登場させた方がいいように思う。

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Cape God