「「とにかく観てくれ」としか言えない。アニメ映画最高傑作。」映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲 といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
「とにかく観てくれ」としか言えない。アニメ映画最高傑作。
映画ファンが「アニメ映画の最高傑作」と太鼓判を押す作品。
熱心な映画ファンとして知られ、ラジオで辛口な映画評論のコーナーを10年近く続けているライムスターの宇多丸さんも「『カリオストロの城』くらいの傑作と言っても過言じゃないくらい」「観たことないならあらゆる映画を後回しにしてでも観るべき」と大絶賛するほど。
私は本作を初めて観たのは小学生の頃で、テレビで劇場版が放映された際にビデオ録画して観て、あまりの面白さに感動して、台詞を丸暗記したくらいに繰り返し鑑賞しました。
初めて鑑賞した際は年齢が近いこともあって主人公の幼稚園児であるしんのすけに感情移入して観ていましたが、大人になった今改めて鑑賞すると、やっぱり父親のヒロシの目線で観てしまいますね。悪の秘密結社であるはずの「イエスタデイワンスモア」の思想に共感してしまう部分もあり、大人になった今改めて鑑賞する意味がある作品でした。そして、内容は丸暗記していたのに、ラストシーンでは普通に涙が出てきました。本当に名作です。
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春日部市に、昔ながらのものを展示販売したり昔のテレビアニメを再現したりして遊べる「20世紀博」というテーマパークができ、埼玉中の大人たちが20世紀博に夢中になっていた。しんのすけ(矢島晶子)やその友達の親も例にもれず20世紀博に入り浸るようになっていたが、幼さ故に「懐かしい」という感情が理解できないしんのすけたちは「懐かしい」に異様な執着を見せる大人たちに違和感を抱いていた。ある日、「20世紀博からの大事なお知らせ」がテレビで流れ、それを見た大人たちは様子がすっかり変わってしまい、翌朝子供たちを残して姿を消したのだった…。
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映画評論家としても活躍するライムスターのラッパー宇多丸さんや、アニメや映画の評論をする岡田斗司夫さん、アメリカ在住の映画評論家でもある町山智浩さんも本作を大絶賛しています。子供向けのアニメ映画ではありますが、大人にこそ刺さるシーンも多くありますので大人にこそ観てほしい映画ですね。
褒めるところを挙げればキリがないほどの名作映画です。実はかなり密度の濃いストーリーをたった90分の映画に凝縮し、尚且つクレヨンしんちゃんのメインターゲットである子供の鑑賞も想定したおバカギャグも盛り込みつつ、子供と一緒に観ている大人にも刺さるような感動を見せてくれる。
世の中のあらゆる映画の中でも間違いなくトップクラスの映画です。ストーリーも脚本も演出も音楽も声優さんの演技も、どれも素晴らしくて一分の隙もない。
時代背景も良かったと思います。公開時期が2001年なので、ミレニアムイヤーを過ぎ、平成に入ってから生まれた子供も小学生になり始めた時代です。その時代に、平成生まれの子供が昭和生まれの親と本作を観に行く。映画の内容が実際に観に行った観客たちのバックボーンと絡み合い、半ば強制的に登場人物たちに感情移入させられる。ここまで考えて作られた映画なのではないかと思うほどに、本作は綿密な計算の元に作られた映画です。
とにかく、観たことない人はいますぐにでも観てほしい。
観て後悔はしない。本当にオススメです。