「あの頃はよかったなぁ〜」映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲 かつさんの映画レビュー(感想・評価)
あの頃はよかったなぁ〜
「あの頃はよかったなぁ〜」誰しも一度は思ったことがあるでしょう。。社会人として、夫として、父親として、年を取れば取るほど、「しなければいけない」が多くなっていき、「したい」ができなくなっていく。ふと、メディアを見れば、やりたいことやって収入を得て、充実した人生を送っているように見える人たちで溢れている。こんなに「しなければいけない」ばかりなのは僕だけか?したいことが自由にできた「あの頃はよかったなぁ〜」と思うのはある種よくあることですよね。。
ただ、「したいこと」に囲まれてたあの頃と「しなければいけないこと」に囲まれてる今と、どちらか選べと言われれば、ひろしとみさえもそうだったように、迷うことなく「今」を選ぶでしょう。間違いなく。しんのすけの言った「ケンカしたって、アタマに来たりしても、一緒がいい!」がまさに言い得ていて、家族という繋がりは、好き嫌いなんて次元ではない大事なものなんだ。家族と共に成長し、老いていく未来こそがなにより幸せなこと、そういう当たり前のことを改めて思い起こさせてくれる作品でした。
ひろしの「家族がいる幸せを、あんたたちにも分けてあげたいくらいだぜ!」は、ホントにいい言葉でした。しんのすけの「ずるいぞ!」もミスリードさせてますが、見通せない未来にすすむことから逃げようとするケンとチャコへの牽制で、印象的でした。
あと、しんのすけのひまわりへの兄弟愛に何度も心打たれた。どんな苦しい状況でも、ひまわりを置いていくということは、その選択肢すらないといった感じで、ホントにいい兄貴でした♪
ただ、全体的なストーリーはゆるゆるですね。バスでの逃走劇や、電波塔での懐かしい匂いボタンへの競争は、ちょっと長く、間延び感がありました。ケンの部下たちも明らかに捕まえる気ないだろ?というゆる追跡(笑) 懐かしい匂いレベルが下がる展開もなんだか弱い。子供向け映画だしと割り切ってしまえばそれまでだけど。。