ルパン三世 風魔一族の陰謀のレビュー・感想・評価
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アラレは走れ タロさは転がれ
監督は『銀河鉄道999』『地球へ・・・』で助監督を務めた大関雅幸
脚本は『悪女かまきり』『アイコ十六歳』『女猫(1983)』『廃市』『菩提樹 リンデンバウム』の内藤誠
粗筋
岐阜飛騨の山奥で祝言をする石川五右衛門
お相手は地元名士墨縄家の孫娘紫
墨縄家の家宝の壺には宝の地図が
岐阜錫杖岳の洞穴の奥に風魔一族の財宝が眠っている
それは黄金の城
古くは風魔は北条家に使えた忍びの者たち
ルパン一味も風魔一族の末裔もその財宝を狙っていた
ルパンを逮捕したい銭形警部ら警察も絡むドタバタアドベンチャー
エンドクレジット無し
オープニングクレジット
公開当時は声優陣がガラッと交代
ファンには概ね大不評
アニメオタクは今も昔も大多数が頭が硬い
詳しくは知りたくもないがおそらく旧声優陣と制作者側のギャラを巡る対立があったのだろう
山田康雄らに敬意を表してベストではないが彼は文句なくベターだ
古川登志夫銀河万丈塩沢兼人小山茉美加藤精三
まさしくレジェンド
オールスターキャスト
これはこれで素晴らしい
だってみんな名優だよ
今の若手で彼らに混じって遜色ないのは沢城みゆきくらい
ニュールパン三世のレギュラーメンバーを演じた5人の声当てが当然のことだろうけどキャラにかなり寄せていた
特に銀河万丈の次元大介がハマっていた
あと黄金の城にご対面したときのやたらハイテンションの峰不二子を演じた小山茉美はあのシーンだけに限ってみれば増山江威子や二階堂有希子を凌ぐ演技力
アニメのクオリティーが高い
それに引き換えウマ娘ときたら
アニメはもっともっと自由に大胆に表現しないといけない
それをこの作品は体現している
ファンタスティック!
見所はカーチェイス
特に温泉地のハチャメチャぶり
方向性としてはドリフの母ちゃんコント
海上の船の爆発事故でルパンが亡くなったと思い込んだ銭形は頭を丸め坊主になった
ルパンが成仏できるよう日々念仏を唱えている
面白いけどこの設定いらない気もする
省くと必要な尺に足りなくなるだからだろうか
声の配役
ルパン三世に古川登志夫
次元大介に銀河万丈
石川五ェ門に塩沢兼人
峰不二子に小山茉美
銭形警部に加藤精三
五右衛門の許嫁になった墨縄紫に荘真由美
紫の祖父の墨縄老人に宮内幸平
風魔一族のボスに広瀬正志
風魔一族だがルパン担当刑事として警察に潜り込む風見に千葉繁
風魔一族のガクシャに中原茂
隊長に島香裕
警官Aに小出和明
警官Bに山寺宏一
警官Cに西村智博
風魔Aに目黒裕一
風魔Bに橋本晃一
風魔Cに桜井敏治
風魔Dに坂東耕一郎
奥さんに江森浩子
男の子に小粥よう子
女の子に神代智恵
女に矢崎えりい
いまにして思えばささいなこと
ルパン=山田康雄だった時代、これほど役と役者がピッタリとはまった例も少なく、彼が亡くなった後は当然シリーズの存続に関わる大きな曲がり角を迎えることになる。
その7年前、まだまだ彼がバリバリに現役だったころに、一度ルパン一味を総とっかえしたことがある。まあ、かなり不評だったのだが、作品の出来不出来というよりも、やはり、慣れ親しんだルパンの声と違うことに、どうしても違和感が抜けなかったのだろう。
この作品は、そういう不幸な経歴をたどった一本で、再評価されることもなく、埋もれていくようだ。
『刑事コロンボ』も、小池朝雄さんが亡くなった時に、しばらくシリーズが頓挫してしまったが、2代目コロンボの石田太郎さんも良くはまっていたと思う。こちらは、「声が違う」という拒絶反応にはならなかった。
五右衛門紫変化
どうも本日19時より本作がBSで放映されるらしい。
「は?なんで今頃?」
という驚きと共に一足お先にレビューを上げてしまおう。
個人的にはバビロンの黄金伝説と本作だけが劇場鑑賞したルパン三世作品だ。
タイトルは「五右衛門紫変化」だったはずだが映画館に行ったら「風魔一族の陰謀」に変わっていた。まぁ、こんなところも七変化な本作であるw
自分は「ルパン三世」という作品の大ファンだと自認しているが、現在だともはやオールドファンという事になってしまうのだろう。
初めてルパンを観たのはTVアニメpart2。世界観に魅了され、続けてpart1の再放送を視聴。その後は古本屋を探しまくっては原作コミックスを買い漁った。
定価で買える小遣いなど持ってなかったし、一般的な書店で見かけた事もなかった。「新ルパン」はまだ綺麗な状態が多かったが1967〜69年の本家本元はカバー欠損の方が多い。でも足を棒にして根性で揃えた。(ルパン小僧やパンドラも買ったw)
1982年に出た双葉社のムック本5冊は(旧part1・2の2巻、新は上中下の3巻)今でも美品状態で大切な宝物だ。
旧ルパン(TV.part1)新ルパン(TV.part2)の全ストーリーと詳細な設定資料集の構成になっている。
(「7番目の橋が落ちる時」のP38ショートリコイルについても言及されている♪)これを見てブローニング1910のモデルガン購入
成人後はPALL MALLを嗜みZENITHのクロノグラフを買ったw
だが、東京ムービーがSEGAに吸収・解散されたあとはTVスペシャルも「いつまでやるの、これ?」という気分になりロシアより愛を込めて以降はもう見ていない。
自分の大切な宝物が身体中チューブだらけにされたまま命を引き伸ばされてるような気がして許容し難いんだな。(まさか平成が終わるまで続くとは思わなかった)
さて、本作である。
ルパン三世という作品のOVA化、ひいてはTVスペシャル化に繋がる過渡期の試験的作品と言える。
この時代、ルパンファンは「カリ城派」と「アンチカリ城派(原作漫画&part1尊重派)」に2極化していたように思う。
コミカル路線を取り入れたpart2派はカリ城の許容率も高いが、純ハードボイルド裏社会系の原作&part1派の多くはカリ城に違和感を示した。
かく言う私もアンチカリ城派。
part2は好きだが、アルバトロスとさらば愛しき〜にはめちゃくちゃ違和感を覚えた。小学生だったから尚更で、大好きなルパンが大人達の事情で何か別物に変えられてしまうのではないか?と危惧したものだ。
そんな中、part3、バビロン、そしてこの風魔一族は「part1でも2でもカリ城でもないこれからのルパン」を創ろうとしての苦心惨憺の試行錯誤が見てとれる。
1番の話題は声優陣の一新だが、私は非常に納得&好感をもって受け入れられた。
1本、芯はあるがカル〜イ男の代表選手・諸星あたる。
元腕利き諜報員の魅力的美女・レミー島田(アラレちゃんだけどw)
昭和のガンコ親父筆頭・星一徹。
個性的なクール美形と言えば塩沢さん以外考えられないし、いぶし銀の役どころに定評のある銀河万丈氏も納得の配役だった。
保守的な、というか頭の固い、というか、創造性の乏しい、というか(おい、おい、そこら辺でやめとけや)なファンには山田ルパン以外認められない!との反感も多かったが、いつかは世代交代も必須なのだからこの新布陣は非常に適任だと自分は満足したものだ。
ところが映画公開後、実は5人の重鎮声優各位に声優変更の相談も連絡も一切なされていなかった事が判明!
(詳細知りたい人はWikipediaをどーぞ)
悪いのは声優ギャラ削減を図った新任プロデューサーであり、この人物がスジを通す事なく監修の大塚康生氏や、社内の脚本・作画等への実質的スタッフにまで声優変更を内緒にし続けた為、多方面で信頼関係の崩壊が発生した。
きちんと義理を通そうとしていたはずのモンキー・パンチ氏や新布陣の声優さん達と山田さん達との関係にもヒビが入ってしまうことに。
結局、次作にあたるTVスペシャルのバイバイリバティではオリジナル声優陣に戻した為、本作は「封印すべき黒歴史」扱いされて、劇場作品のラインナップすら外される。
ストーリーは当時は酷評されたけど私は面白かった。何より一つ一つのアクションシーンの出来が良い!
あの頃、S.ジャクソンとI.リビングストンのアドベンチャーゲームブック(ゲームブックの元祖と言っても過言ではない)にハマっていた私は、85年から刊行されていたルパン三世のゲームブックをずーっと買い続けていたのだが(今も全巻持ってます)このゲームブックストーリーになんとなくテイストが似ている印象があったのだ。
また、カリ城よりpart1に寄せつつ、かつ80年代に合わせた作風も悪くないと感じた。
だから比較的すんなり本作を受け入れられたかと思う。
まぁTVスペシャルで育った現在のファン諸兄ならば特になんの抵抗も感じずフラットに受け入れられるんじゃないだろうか。
大塚氏監修という事で、オマージュというより「遊び心」として、チンクや2CV、パトカーはブル410型も登場。
緑ジャケットや少々カリ城を彷彿とさせるキャラクターのやり取りも散見される。
(私はルパンの車っつったらベンツSSKかアルファロメオ ・グランスポルト・クアトロルオーテなんですけどねー。ルパン=チンクっていう人とはお友達になれないかもw)
さてさて、本日20時過ぎにはレビューが増えるのかな?
それとも一切変わらずかな?
楽しみに待ってみようと思う(笑)
本当はOVA作品だったのを限定劇場公開された際に鑑賞
発表された当時の1987年〜 、元はOVAとしてセル作品という事になっていたのが、発売に先駆ける形で東宝系で劇場での急遽限定劇場公開されることになった。
その後、1988年になってOVAとしてセル作品として発売が開始されたのに合わせ、オールナイト特別上映の企画での限定劇場公開の際に鑑賞する機会に恵まれた作品。
通常の劇場用作品に比して上映時間が73分と短いのは、そうした背景が合った事に由来する。
そのため、オールナイト特別上映時は 『となりのトトロ』と『火垂るの墓』などが併映になっていた。
元々、初代ルパンの作画監督とキャラクターデザインを手がけた大塚康生さん監修という事から期待値高めてたので、劇場で観れること分がかった時、可成り喜びましたね。
声優交代は事前に知れていたので興味もあったが、古川氏や他の声優陣も頑張ってなんかいい感じだしていて、流石だなって、全く悪く無かったのと、ストーリーも五右衛門中心で立ち回りシーンに加えて、ラブコメまがいにイジられたりするのもあり、テンポも良く、劇場スクリーンで楽しんで観れた。
ちょっと、『カリオストロ』の姉妹編みたいなテイストも感じましたしね。
大塚康生さんが関わってる事からキャラクター設定が、初代や、カリオストロ系になっているのも間違いなく、本作品への好感持ってる要因です。
大塚氏は東映入社前の時代に、元は厚生省の採用試験を受けて、関東の麻薬取締官事務所で勤務実績が有るという変わり種で、その時代の知識を活かしてもらうべくルパンの初期段階からの抜擢だったとか。
それで1stシリーズ演出・監督の大隅正秋氏から、実在する自動車や銃や時計といったアイテムを登場させてリアリティ持たせるよう指示を受けて、ルパンのワルサーP38 ac41ミリタリー、ガンマンの次元には威力の凄い S&W M19 コンバット・マグナム 4inch、峰不二子は小型で隠し持ち取り出しやすいFN ブローニングM1910など、それぞれの個性に合わせてコーディネートした人物こそが大塚氏なんです。
麻薬取締官時代には、押収拳銃のスケッチや分解掃除もしたというから、細部までディテールも凄かった。
”TVマンガ”でワルサーP38が「ショート・リコイルして排莢している」のなんて、生まれて初めてこれで観て知った(というかメカニズム理解した)、それをスローで描写して見せるレベルに感動というか、驚愕しか無い。
そんなの、その当時にはあり得ないことだったんですね(今でこそ、そんな事と思われるでしょうが)、恐らくここから始まったのに違いないでしょう。
恐るべき人だと思いますよ。
そもそも大塚康生さんがルパン・アニメの、銃・車などのアイテム・メカ設定の基盤を決定付けたその人、という事なんです。
『ルパン三世』の劇場版を作ることになった際には大塚氏の方から宮崎氏に声かけし、それにより宮崎氏の長編映画初監督作となる『カリオストロの城』が実現したという経緯だったのであり、ここでも大塚氏は作画監督してるくらいなので、『カリオストロ』の姉妹編感も当然といえば当然。
実は大塚氏こそが、元祖的にごく初期から関わってルパンの基礎を築いた、ミスター・ルパン的立役者と言えるように思う。
大隈氏は視聴率不振で1stの前半で降板、後半にテコ入れで宮崎駿・高畑勲氏にバトンタッチしたが、それらにずっと関わって、映画版企画『カリオストロ』と『風魔一族』にまで携わって来た御仁なんですから。
重鎮ですよね、ルパンの。
それに、なんかのシリーズの低評価に甘んじてたヤツみたいで、唯一無二の特別感は逆に愛され映画に転じるのアリかなと。
なんせ、初代ルパンの本放送リアル視聴世代なもんで。
ルパンの中でも好きな一本なんですね、この作品。
五右衛門主役回なので、アクションが多め。つまらぬものとは言わずに斬...
五右衛門主役回なので、アクションが多め。つまらぬものとは言わずに斬りまくる。
大人の事情によっての声優変更があった為、メイン5人(不二子、銭形)の声が全員違う。
五右衛門役は塩沢兼人で、南斗水鳥拳レイをはじめ顔の輪郭と目が細くてキレイめ男を演じることが多いので違和感ないわ。
ルパンジャケットは緑、赤の両方とも出る。
珍しいシーンとしては、五右衛門がからくり城の中で幻覚ガスを吸ったため、嫁にちょいケガをさせてしまい落ち込むシーンがあるとこ。
クルマがカリオストロなことだけでなく、ジジイが銭形に対して「ルパンは何も盗っていない」と言う点、不二子がルパンに対して獲物を見せつけてバイバーイなど、ちょっとカリオストロ風味な場面がある。
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