劇場公開日 1957年10月1日

「美しい映画」喜びも悲しみも幾歳月 抹茶さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0美しい映画

2023年10月13日
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何が「美しい」のか、今の自分には上手く説明できないように思った。中盤あたりから惚けてしまっていた。しばらくそっと大事にしまっておきたい、久々にそんな風に思える作品でした。

蛇足で印象に残ったことをいくつか。木下作品を見ていると、構図の中に妙に存在感を放つモノが配置されていて、絶妙なトーンを与えている画(分かりやすい例を挙げると「永遠の人」のラストの土間に置かれた冷蔵庫とか)が印象的だけど、本作は風景にしても屋内にしてもそうした画面が多くあったように思えた。
また、東京のレストランに招待されたシーンで娘が料理を取り分ける時の目線で男女関係を匂わせるショットは木下作品ではあんまりない演出に思えて印象的だった。セリフにしても本作は割りと前のシーンや後の展開の含みをもたせたものが多く、観客に対して丁寧につくられた印象だった。

抹茶