「花魁の苦しみと怒りを描く」吉原炎上 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)
花魁の苦しみと怒りを描く
綺麗に生きるのは難しい場所で、まさに命をかけて懸命に生きなければならない人たちの物語。
明治期の遊郭は江戸期に比べて縮小傾向にあったようで、花魁道中もだいぶ久しぶりに行うという話があったように、最盛期はとっくに過ぎてたりもします。
遊郭で人気もあればまだしも、落ち目の場所で、なんでこんな辛い思いをしなければならないのか、女性たちの不満は爆発寸前でした。
主人公はその不満を花魁道中を実施することで果たすのだが、他の女性たちは命を落としてしまう結果となる。ほとんど悲劇でしかない。そんな場所ですら、花を咲かせようとする主人公の生き様は女として人間としての矜持や意地を感じた。
結果として、吉原炎上という形で、全ての遊女たちの怒りと不満の爆発を見るのである。しかし、あれは単なる火事というだけではない、感情を思い起こさせる。
主人公が燃える吉原を見て、微かに笑っているのは恐らく、苦しみの世界の消滅に対する愉悦を、感じているからでしょう。吉原炎上の言葉で、外しているのです。
遊郭は苦界とも言えるまさに女性の地獄。
まさに見るべき作品。
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