夕陽が呼んだ男

劇場公開日:

解説

「栄光の黒豹」の石森史郎が脚本を書き、「惚れた強み」の水川淳三が監督した青春もの。撮影は「とめてくれるなおっ母さん」の加藤正幸が担当。

1970年製作/85分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1970年3月18日

ストーリー

東京下町。ここに三つの青春が息吹いていた。北沢健は自動車工場で貧しいながらも精一杯青春を生きていた。健には恋人浅井ルミ子と母芙美がいた。相良優一は財閥相良コンツェルンの会長泰造の孫で、会長秘書をつとめ、エリートとして堅実な青春を歩んでいた。彼の弟秀司はまさに愚弟賢兄で、仲間を集めては、ワイルドパーティに青春を費していた。実は三人は従兄弟で、健も泰造の孫なのだが、父一郎が泰造の怒りを買ったまま他界、以後芙美の手ひとつで育てられた。だが、健には財閥の孫という意識もヒガミもなく、ひたすらルミ子との青春を謳歌していた。そんな彼等の青春に波風が吹き始めた。ルミ子の兄和也の失態から、ルミ子は秀司とのデイトを約束、ワイルドパーティへ。そしてかけつけた健は秀司と激しい乱闘。このことは健とルミ子を一層強く結びつけた。その頃、マンション経営をもくろむ相良コンツェルンから立退き話が持ち込まれた。仲間の不安を解決せんと健は泰造に会うが、財産目当て云々という泰造の言葉に、健は屈辱を噛みしめた。そのうえ、秀司にそそのかされた和也が健の素性をバラし健は仲間から白眼視された。さらに再度の健と泰造の面会をとりもつなど、優一の健にむけられる好意は、秀司を刺激し、健への中傷に向けられた。そのため、ルミ子が健の素性を知るに至った。二人の仲に亀裂が生じた。立退きが進まず、自ら現地を訪れた泰造を殺気立つ工場の連中がとり囲んだ。あわや流血の騒ぎに進展する寸前、優一と健が立ちふさがり、事を未然に防いだ。優一は健に一緒に仕事を、ともちかけたが、健は断った。その時、健とルミ子の青春が再び燃えあがった。

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