闇の中の魑魅魍魎のレビュー・感想・評価
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幻のカルト作
映画が始まっていきなり現在では考えられないようなアンモラルなシーンが出てきて驚かされた。本作はかなり昔にVHSが出て以降、現在までソフト化も配信もされていない幻の作品となっている。どうもこの辺りに原因があるように思うのだが、今回は新宿・K's cinemaの『奇想天外映画祭』で上映されていたので、この機会に鑑賞した。
監督は中平康。原作は「血みどろの絵金」(未読)。それを新藤兼人が脚色して作り上げた作品である。
自分は絵金のことをまったく知らずに観たが、その破天荒な生き様、愛する雪との愛憎、平民から御用絵師に出世する中で自らの信念に迷いを覚えていく葛藤等、色々と興味が尽きず最後まで面白く観ることが出来た。
尚、後から調べてみたが、実際の絵金がここまで変わり者だったかというと、そうとも言い切れないらしい。そもそも彼の素性には謎が多く、本作はフィクションも混じっているそうである。彼が描いた芝居絵の中には鮮烈な印象を残す流血表現があり、それになぞらえて本作の彼のキャラクターが創り上げられているような印象を持った。
中平監督の演出はアヴァンギャルドなトーンを織り交ぜながら、時に過剰とも思えるエログロ表現が追及されている。もはや苦笑してしまうレベルだが、見世物に振り切った演出は中々痛快である。
また、絵金は平民の出自と御用絵師の地位の間でジレンマに陥っていくようになる。そこから反権力的な思想が見て取れるのだが、同時に倒幕の機運が高まっていた”時代”も感じられた。絵金の波乱に満ちた人生共々、時代の流れというのも興味深く観れた。
個性派揃いのキャスト陣も大変魅力的である。
絵金を演じるのは若かりし頃の麿赤児。後年の彼はユーモラスな一面を見せ、そこに親しみを覚えたが、ここでは鬼気迫る形相で異端の作家を太々しく怪演している。
絵金の親友を演じた怪優・土方巽と海辺で戯れるシーンは、暗黒舞踏よろしく躍動する肉体表現に見入ってしまった。
また、何かと絵金に突っかかる徳姫を演じた加賀まりこも大変チャーミングである。中平監督とは「月曜日のユカ」でコンビを組んでいるが、その時と同じく小悪魔的な魅力が上手く引き出されていると感じた。
電子音をフィーチャーした黛敏郎の音楽も作品に異様な雰囲気を加味していて面白い。
エログロの奔出にただただ圧倒される
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麿赤兒の顔面アップのチラシがインパクトがありすぎて、観たくなった映画。
K's cinemaにて観てきました。
最初から最後までハラハラドキドキさせられた。
血を流しながら死ぬシーンが多いので苦手な人は苦手かと。
死に方がバラエティーにとんでいた。
登場人物の女性たちが皆さんキレイ。
絵金の愛人の女郎が北川景子に似ていた。
色鮮やか、というか、極彩色。
絵金とその友達の漁師がワイルド。
絵金が細マッチョ。
絵金のお母さんが出自をばらされて自害してしまうシーンが一番ショックだった。
新宿 K's cinemaで《奇想天外映画祭2025》脚本:新藤兼...
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