ヤマトタケルのレビュー・感想・評価
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期待度△鑑賞後の満足度○ ヤマタノオロチの造形、大変宜し。殆ど怪獣映画だから点数も甘くなりますゥ…
①我らがヤマト民族の神話と「古事記」の話だからもう少し海外に負けないくらいのファンタジー映画にして欲しかったが、欲張り過ぎというものかな。
②シルバー・ラドン(でも立ち位置はモスラっぽい) vs エイトヘッド・キングギドラってとこですかね。
③「古事記」に変に忠実にならずにおとぎ話っぽくしているのはよろしい。
篠田三郎は大王(オオキミ)(景行天皇ですね)っぽい面差しなので適役だと思うが銅鐸を被っているのには笑た…時代も違うだろ。
④オマージュとも云えないレベルだけど『未知との遭遇』『スターウォーズ』『ターミネーター』からちゃっかりパクっているのも微笑ましい。
超時空SFアドベンチャー 古事記クエスト
東宝特撮1994年の作品。
昭和時代東宝はゴジラシリーズ以外にも、別の怪獣もの、SFもの、怪奇な変身人間ものなどを製作。年に2本、時には3本の特撮作品が公開されていた。
平成になってゴジラが復活。“平成vsシリーズ”が大ヒットする中、東宝はまたかつてのようにゴジラ以外の特撮作品を製作。それが、本作。
公開時は勿論劇場で観、レンタルVHSやWOWOW放送もVHSに録画。何度か見ていたが、訳あって大量のVHSを処分する事に。
それから月日が流れ…。再放送などは無く、近くのレンタル店にもDVDは置いておらず…。
不定期で東宝特撮を再見していた時、本作も特に再見したかった一本。
が、見たくても見れない…。そんな時サプライズしてくれるのが、毎度お馴染みU-NEXT!
本当にいつ以来だろう。思い出せないくらいの、久々の鑑賞。
題材は、『古事記』。
東宝特撮は1959年にも『古事記』を題材に『日本誕生』を製作したが、リメイクではない。全くの別物、作風。
『日本誕生』は神話スペクタクルであったが、こちらは『古事記』を題材にヤマトタケルノミコトを主人公にしている点は同じものの、あくまでベース。歴史考証に制約される事無く、自由な発想や大胆脚色。
ヤマトの国に産まれた双子。弟のオウスノミコトは“呪われた皇子”として赤子の時に捨てられるも、アマノシラトリに救われ、叔母ヤマトヒメに育てられる。
成長し再びヤマトの国に戻るが、母と兄の急死の濡れ衣を着せられ、父王の怒りを買う。
命じられたクマソタケル討伐、そして宇宙から迫る邪悪な存在…。
オウスノミコト改めヤマトタケルの数々の試練、冒険、闘い、出会いと運命…。
富山Pが目指したのは、かつてのような東宝特撮娯楽×若者向けの王道活劇。
主人公の冒険譚。課せられた使命。
アイテムや仲間。
対する強敵たち。
絶体絶命のピンチに陥るも、復活。思わぬ再会。
幾つものステージを経て、いよいよ最終決戦へ…。
作風も演出も展開もRPG風。と言うか完全にその路線を狙ったSFアクション・アドベンチャー。
ゴジラシリーズとは一味違う。それは本編や特撮からも分かる。
平成ゴジラvsシリーズの名コンビ、大河原孝夫監督と川北紘一特技監督が、ゴジラシリーズ超えを目指して製作した特撮技術とワールド。
まず特撮は、これまで通りの特撮演出、ミニチュア、操演などをフル駆使しつつ、CGも積極的に導入。クマソガミの手が弓矢に変化やオトタチバナの身体が粒子化などは確かに特撮では難しい。
原寸大のアマノシラトリやヤマタノオロチの頭部も製作。
海神ムーバやヤマタノオロチはこれまで培った“怪獣映画”の本領発揮。ヤマタノオロチの着ぐるみは東宝特撮史上最大級!(その昔買ったヤマタノオロチのソフビ人形も特大サイズであった)
特撮土壇場ではなく、本編でもアクション・シーンをたっぷり織り込み。キャスト同士のアクションのみならず、人間の倍サイズのクマソガミとの闘いは、本編と特撮の二人三脚の意欲的なシーンと言えよう。
衣装にも凝り、美術も大掛かり。
昔何かの本でスタッフが、「こっち(『ヤマトタケル』)が大変で、今やってるゴジラ(『vsスペースゴジラ』)が楽で楽で」と言っていたのを読んだ事ある。
当時の東宝特撮スタッフにとって、色んな意味で労作。
東宝特撮としては異例の豪華キャスト。
高嶋政宏、沢口靖子、篠田三郎は常連組。
麿赤児、目黒祐樹、宮本信子は意外なキャスティング。特に、宮本信子が特撮映画に出るなんて…!
特筆すべきキャストは…
クマソタケル役の藤岡弘、。レジェンド正義のヒーローが珍しく敵役。が、存在感はさすがのもので、パワフルなアクション・シーンも披露。ラスボスでもいいんじゃね?…とも思うが、極悪人ではなく、オウスの力を認め、“ヤマトタケル”の名を贈る結構印象的な役所。
ラスボスはヤマタノオロチに変化する邪神、ツクヨミ。演じるは、阿部寛。まさかこの時、この人が後に超売れっ子になろうとは思いもしなかった。それが分かってたら、製作陣もこんな無駄遣いはしなかっただろう。
ラスボスでありながら、強いんだか弱いんだかビミョーなツクヨミ。ヤマトタケルとの闘いにあっさり敗れ、さっさとヤマタノオロチに変化。もうちょっと見せ場欲しかったなぁ…。まあ当時はモデルとしては人気だったが、役者としてはまだまだ苦労時代。
そんなツクヨミもさることながら、他にもツッコミ所や難点が多々。
娯楽に徹した作りではあるが、演出も演技もステレオタイプ。膨大なエピソードのある『古事記』を大胆翻案した脚本・三村渉氏の苦労は察するが、ストーリーやドラマ性は簡素過ぎ。
見せ場は要所要所織り込み、展開はポンポン進んでいくが、却ってそれが“弁慶の泣き所”に。あっさりし過ぎ、もっと胸躍るアドベンチャー感やハラハラドキドキが欲しかった。
見せ場の一つであるヤマタノオロチ。火を吹き、どんなに大暴れっぷりを見せてくれるのかと期待したら、ウツノイクサガミにこれまたあっさりやられる。
そのウツノイクサガミ、見た目は完全に超合金ロボット。(←いえいえ、ウツノイクサガミはロボットではなく、神様。大魔神的な。それに、エヴァだって正確にはロボットじゃないでしょ)
RPG風アドベンチャーに怪獣にロボット…もはや日本神話の欠片も無く。冷静に見ると、なかなかなトンデモ作品…!?
そして主題歌はまさかのGLAY! 作風とはアンマッチなんだけど、歌自体はいいんだよね。
当時はやはりどうしてもゴジラシリーズの方が好きで…。
今久々に見て、特別面白い!ってほどではなかったが、楽しいのは楽しく、あの頃の懐かしさが蘇ってきた。
ゴジラ映画を毎年のように劇場で観ていたあの頃…。かつてのように東宝特撮を年に2本も劇場で鑑賞。
翌年は年末のゴジラを前に、新ガメラ映画も。
今思うと、何て夢みたいなあの頃であった。
3部作の予定だったが、ゴジラシリーズほどヒットせず、これ一本限りに…。
1作目のラストでヤマタノオロチを登場させて、次は…?
Wikipedia情報によると、2作目では東宝特撮ファンなら誰もが知ってる幻の怪獣、バガンを登場させる予定だったという。
ゲームには登場したが、製作直前まで進んでいた『モスラvsバガン』も残念ながら幻に。
未だスクリーン・デビュー出来ずにいるバガン。いつか大スクリーンで、その姿を!
昭和、平成と『古事記』の映画化に挑戦してきた東宝。
令和版も見てみたい。
ヤマタノオロチを倒せ!
DVDで鑑賞。
「古事記」「日本書紀」は嗜む程度に読みました。
ヤマトタケルとその仲間たちの冒険と壮絶な戦いが描かれていました。しかし人間のアクションシーンが今一つ物足りませんでしたが、川北紘一特技監督によるダイナミックな特撮が堪能出来ただけで大満足なので帳消しです!!!
クライマックスのウツノイクサガミとヤマタノオロチとの大決戦は圧巻の一言。火薬量もハンパじゃなかったです。
ヤマタノオロチなんか超重量級で、首の動きは操演の最たるもの。東宝特撮史上最大級の造形物となりました。
ウツノイクサガミは騎士を彷彿とさせるデザインながら、日本の神話世界に見事にマッチしていると云う不思議さ…
ヤマタノオロチに変身する最大の敵・ツクヨミ役で、阿部寛が出演していたことに驚きました。今考えると意味の分からないキャスティングだなぁ…。時の流れを感じました。
主題歌がGLAYと云うのも意外や意外。合っていない気がしました。でもこのちぐはぐな感じ、嫌いではない…
ちょっぴり角川映画臭のするトンデモ大作でした(笑)。
※修正(2022/04/19)
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