「.」八つ墓村(1996) 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅(CS放送)にて何度目かの再鑑賞。市川崑監督作では初めて“金田一耕助”に石坂浩二以外を配した金田一モノ。役作りの為、撮影前から数週間衣裳を着けて過ごしたと云う豊川悦司版金田一は微妙で、この人に爽やかな笑顔は似合わない。或る程度、横溝正史の原作に忠実だが、犯行の動機や相反する八人の構図等は変更・省略されている。喜多嶋舞演じる“里村典子”が登場するのは良いが、原作より随分幼い印象。『病院坂の首縊りの家('79)』以降、監督の金田一モノは円熟味が増した反面、実験性や監督らしさが薄れ、良くない。45/100点。
・全体に淡々とした語り口で、メリハリが無く、原作から変更された犯行の動機も首を傾げたくなる。また原作では、事件解決の糸口になる(監督の金田一モノでは常連の)白石加代子演じる“濃茶の尼”のエピソードも大幅に変更されている。同じく監督常連の岸田今日子の二役“田治見小竹・小梅”は妖怪じみており、夢に出そう。
・鑑賞日:2012年3月31日(土)
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