「目覚めよ野性」野性の証明 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
目覚めよ野性
角川映画・証明シリーズ第2作。
DVD(デジタル・リマスター版)で鑑賞。
原作は未読です。
角川春樹が「人間の証明」の大ヒットの波に乗り、引き続き森村誠一の小説を映画化したバトルアクション大作。原作からだいぶん改変されていると云うことなのでまさに角川映画の本領発揮と言ったところ。ハタメタ感が満載だし、本を売るためだけにつくられた壮大なPVと思って身を委ねるしかない。
高倉健の名演とアクションを堪能出来ると同時に、角川映画のミューズ、薬師丸ひろ子のデビュー作らしい初々しさも味わえると云う贅沢さ。その他のキャストも超豪華でした。
アメリカで大規模ロケを敢行したクライマックス・シーンが圧巻。急に日本の風景じゃなくなる違和感もなんのその、勢いだけで最後まで突っ走る、この感じこそ角川映画だ!(笑)。
高倉健と薬師丸ひろ子が繰り広げる、不器用な疑似親子関係が切な過ぎる。権力者の私兵集団と化した自衛隊レンジャー部隊との熾烈な戦いを強いられる中、ふたりが肩を寄せ合いながら切り抜けていく様にハラハラ。味沢(高倉健)の怒りが爆発したラスト・シーンの悲壮感が忘れられません。
[追記(2023/07/27)]
観る度に思うことは、「あれれ、戦車はどうなったの?」と云うこと。予告編にも使われている「大勢でお父さんを殺しに来るよ!」が飛び出した後、キャタピラの音を響かせながら戦車部隊が味沢の家目掛けてやって来るのですが、次の瞬間には警察が踏み込むしそいつらを撃退したら頼子とふたりで逃げている場面になるので、後々の危機への不安を煽るイメージ映像と解釈していますが、実際のところどうなのか?
[以降の鑑賞記録]
2023/07/27:アマプラ(シネマコレクション by KADOKAWA)
※リライト(2020/07/31)
※修正(2023/07/27)